中国東北部の遼寧省にあるレストランで清掃員の契約社員として働いていた宋さんという中年女性が、清掃中にレストラン内で丸められて束になっていた100元札200枚(2万元=40万円)を発見。レストランのフロントに預けたものの、落とし主が見つからなかったので、警察に届けたところ、レストランの店長や宋さんの雇用主の清掃会社社長から「店の規則を破った」として解雇されたことが分かった。百度の動画サイト「好看ビデオ」がこの問題を取り上げ、香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」も報道している。
宋さんがインターネットに投稿した解雇の顛末は以下の通りだ。まず彼女は、「お金がなくなったことに気づけば、持ち主が戻ってくると思っていたが、数日経っても誰もお金を取りにこなかった」と説明し、レストラン店長に地元警察に通報することを提案したが、店長は「あなたが勤めている会社の社長にも相談してみたら」と、警察への届け出に否定的な返答をした。
そこで宋さんは社長に相談したが、社長はレストランとの契約を重視し「レストランの店長の言うとおりにした方が良い」と答え、警察への届け出に待ったをかけた。
それにもかかわらず、宋さんが警察に届けたところ、宋さんは清掃会社との契約を打ち切られてしまった。そればかりか、レストラン店長はネット上に「清掃員(宋さん)が拾った金をネコババした」と事実と異なることを書き込んだ。
困った宋さんが一連の出来事をインターネットで公開したところ、「宋さんの方が正しい」との声が多く寄せられたことから、警察が捜査に乗り出し、宋さんの身の潔白が証明された。
警察は、レストラン店長と清掃会社社長の身柄を拘束して取り調べ、2人に厳重注意を与えた。レストランと清掃会社は宋さんに謝罪したという。
これについて、ネット上では「彼女は見ず知らずの人のお金を守るために、自分の仕事を失う危険まで冒した。この正直さには感服する。それに引き換え、店長と社長は極めて下劣だ」などとの宋さんの誠実さを賞賛の声が多く寄せられ、地元政府は宋さんの再就職先の斡旋などの支援を行っているという。