長く競馬を楽しむために馬券の買い方については合理的であるべきだ。競馬ライターの東田和美氏がレポートする。
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昨年10月、JRAは今年4月22日の京都競馬場改装オープンのタイミングに合わせ、UMACAカード(いまさらだが、ウマカというネーミング、なんとかならなかったのか)で馬券を買った際、購入金額の0.5%がポイントとして付与されるようになると発表した。
ハズれてしまったらなにもかも「ゼロ」になってしまうのが馬券だったのが、0.5%だけとはいえ戻ってくる。100万円買って5000円分というのが多いか少ないかは意見の分かれるところだが、ボーナスポイントなども検討されているし、ポイント数によってオリジナルグッズや競馬場内の売店やレストランで使えるクーポン券に交換できるほか、次回以降の馬券購入の足しにもできる。地方競馬などではすでにおなじみだが、それがJRAでも実施されるのは画期的。ペーパーレス化、キャッシュレス化という時代の流れにも合っている。
今年になってからは、サービス開始の1週間前までに登録したUMACA会員にもれなく200ポイントが進呈される先行キャンペーンも開始。マイナンバーカードのような駆け込み申込の混乱を防ぐための手立ても講じている。長澤まさみを「PR大使」にし、「貯まる競馬へ」と銘打った場内ポスターやネットなどでUMACAのメリットの発信も始めた。
「現在、UMACA使用の割合は現金による購入総額の5%。順調に普及しているとはいえません」(JRA担当者)
インターネット投票はいまや売上の80%以上を占めるようになったものの、新たに始めるためには銀行に口座を持っていなければならない。また、利用できる銀行も限られていることから、更に幅広いファンが参加しやすくなるよう、利便性をはかった新たな購入ツールとしてUMACAを用意したが、案に相違して反応は芳しくないというのだ。
「現金販売機というのはバックヤードを必要とするので、あちこちに投票所をつくることができませんが、UMACAなら専用の販売機を設置すれば、場内のさまざまな場所で投票できるようになります。
それでも、現金で買うのとどこが違うのかという声がありますし、登録するのが面倒だとも思われているようです。また競馬場やウインズに行かないと買えないという点もネックなのでしょうか。ポイントにしても1%が当たり前になっている今、たった0.5%では、ということなのかもしれません」(JRA担当者)
UMACAはいわばSuicaの馬券版といったもので、マークカードでもパネル操作でスマッピーでも購入可能。馬券はないが買い目が印字された「ご利用明細」が発行される。購入の考え方としては現金と同じだが、違うのはWIN5や海外馬券も買えること。また任意のレースのオッズを20回まで無料でプリントアウトすることができるものの、JRAのホームページには「現金や勝馬投票券の取り忘れ、払戻有効期限切れといった心配がございません」などとあり、メリットのPRに苦労している印象だ。