ダウンタウンの松本人志が3月19日の放送をもって、『ワイドナショー』(フジテレビ)を卒業した。2013年10月の開始以来、コメンテーターとして出演してきた松本は「最初は自分の中でストレス発散になる番組やったんですけど、だんだんとストレスをためる番組になったことは否めない」と話し、『ワイドナショー』での発言が多数のネットニュースで自分の意図と異なる取り上げられ方をしたことを降板の理由とした。
さらに、裏番組の『サンデージャポン』(TBS系)との視聴率比較の記事についても熱弁した。
「最後の最後だから言いますが、ずっと、裏の『サンジャポ』に視聴率で負けてるって、ずっとニュースにされてきたけど、逆やからね。サンジャポをやっている人には申し訳ないけど、あの、コア視聴率でずっとダブルスコアで勝ってきた」
そもそも、“コア視聴率”とは何か。テレビ局関係者が説明する。
「テレビは昭和の頃から“世帯視聴率”を基準にしてきました。視聴率が高ければ、広告としての価値が上がり、CMもたくさん入ってきますし、料金も上がる。だから、局は数字の高い番組を作ろうとする。ただ、広告主からすれば、いくらCMを打っても実際の購買に繋がらないと意味がない。データを見ると、高齢者よりも50歳未満の消費活動のほうが高い。そこで数年前から、テレビ局は50歳未満を“コア層”と捉え、従来の世帯視聴率ではなく、“コア視聴率”を重視するようになりました。そのため、現在は“コア視聴率”の高い番組のほうが局内で評価されます」
子供から30代までの人口の多かった昭和では、広告主が重きを置く“若者”が世帯視聴率の中心にいた。実際、若い世代に人気のドリフターズの『8時だヨ!全員集合』(TBS)や『欽ちゃんのどこまでやるの!』(テレビ朝日)が毎週のように30%台を記録していた。
「当時はテレビが一家に一台という世帯も少なくなく、子供が好きな番組を親も一緒に見ていた。母親や父親は消費を活発にしてくれる20代や30代でしたから、“世帯視聴率”が広告主の訴求したい層に一致していました。でも、令和の今は少子高齢化が進んだので、その方程式が崩壊したのです」(同前)
現在のテレビ番組では、人口の多い“3層”と呼ばれる男女50歳以上の視聴率が高ければ、自然と“世帯視聴率”は上がる。逆に、相対的に人口の少ないC層(男女4~12歳)やT層(男女13~19歳)、1層(男女20~34歳)、2層(男女35~49歳)の視聴率が高くても、3層の数字があまり取れなければ、世帯視聴率はさほど高くならないという仕組みになっている。