スポーツ

栗山監督を支えた白井一幸ヘッドはどんな人物? 理想のタイプの変遷からわかる「藤谷美和子」の影響

指導モットーは「怒らず励ます」「教えず考えさせる」だという白井一幸ヘッドコーチ(時事通信フォト)

指導モットーは「怒らず励ます」「教えず考えさせる」だという白井一幸ヘッドコーチ(時事通信フォト)

 侍ジャパンがワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で3大会ぶりの優勝を果たした。選手を信じ続けた栗山英樹監督、宮崎での強化合宿からチームをまとめたダルビッシュ有、投打の活躍でMVPを獲得した大谷翔平を始め、ひとり一人がそれぞれの役割を果たし、一丸となって勝ち取った世界一だった。その中で、監督や選手を陰で支えた白井一幸ヘッドコーチ(61)とはどんな人物なのか。(※文中敬称略、所属や名前などは当時)

「世界一を考えないことだと思います。今日とにかく一生懸命頑張ることの積み重ねだと思う」──宮崎合宿で「世界一になるために何が必要か」と聞かれたダルビッシュはそう答えた。この考え方を白井ヘッドも持っていたと窺える発言が残っている。

 名門・駒澤大学でキャプテンを務めた白井は、1983年秋のドラフト1位で日本ハムに入団。4年目にはベストナインとゴールデングラブ賞に輝き、1994年にはセカンドの連続守備機会無失策のパ・リーグ記録を樹立するなど名手として鳴らし、1996年限りで現役を退いた。引退後、母校である志度高校の講演会で現役時代をこう振り返っていた。

〈プロ選手の13年間、1日も休まず素振りを続けるという自分への課題を守れたことが一番うれしい〉(2004年12月22日・朝日新聞)

 最高の歓喜は試合ではなく、練習という過程をやり遂げたことにある。白井やダルビッシュのような一流選手はそう考えるのだろう。

 白井は1997年から2年間、日本ハムの育成部に籍を置きながらニューヨーク・ヤンキースにコーチ留学。1998年オフにはヤンキースから1Aの監督を打診されるほど、その指導力と人間性が評価されていた。

 指導モットーは「怒らず励ます」「教えず考えさせる」だという。2013年、評論家として同い年の日本ハム・栗山監督と対談した際には、就任1年目の前年パ・リーグを制覇した名将をこう評していた。

〈スポーツ界は体罰が問題視されていますが、選手の力を引き出す環境づくりに力を尽くすタイプ。これから求められる指導者像だと思います〉(2013年2月15日・北海道日刊スポーツ )

 翌年、白井はコーチとして7年ぶりに日本ハムに復帰。栗山監督や大谷翔平とともに戦い、2016年には日本一に輝いた。現役時代から脇役と呼ばれるタイプで、引退後はコーチとして選手の良さを引き出し、監督を陰で支えた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン