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【同居男性虐待事件】懲役24年の判決に“涙なき”嗚咽の被告女性「被害男性にゴキブリの足を食べさせていた」

成人男性の体重が36.8キロになっていた(大津地裁)

成人男性の体重が36.8キロになっていた(大津地裁)

 滋賀県愛荘町の自宅アパートで同居男性に暴行を加え、食事を制限した末に死なせたとして傷害致死などに問われている小林久美子被告(57)の裁判員裁判判決が3月24日に大津地裁で開かれ、畑山靖裁判長は求刑通りの懲役24年の判決を言い渡した。

 小林被告は2018年10月ごろから自宅アパートで同居していた岡田達也さん(25=当時)に対し、同じく同居していた息子のA被告(21)らとともに繰り返し暴行を加え、さらに食事を制限するなどして、2019年10月に死亡させたという傷害致死のほか、岡田さんの兄への恐喝未遂にも問われていた。また他にも男性3人に対し岡田さんと同様、暴力や食事制限により大怪我をさせたという傷害罪でも起訴され、こちらはすでに分離公判において有罪の判決が言い渡されていた。

 元『小悪魔ageha』モデル・武藤静香プロデュースブランド「Rady」のロゴが背中に大きくプリントされた黒いロングTシャツにグレーのスウェットパンツ、腰まで伸びた髪をひとつにまとめて法廷に現われた小林被告。髪の先端は金髪が残っているが、根元部分は白髪が混じる。判決を聞いている時は、時々うつむいたり、頭を左右に倒したりしていた。

 彼女は公判で「虐待はしていない、食事の制限もしていない」と起訴事実を否認していたが、判決で裁判所は「いずれの事件も被告人は首謀者の立場」であると認め「ストレスのはけ口として被害者らを弄び、虐待を続け、歪んだ欲望を満たそうとした。身勝手な動機や経緯に汲むべき点はない」と指摘した。

 岡田さんに対して加えられた暴力や食事制限は壮絶だったことがうかがえる。亡くなる直前に心肺停止で搬送された岡田さんの遺体は、身長が174センチにもかかわらず、体重が36.8キログラムで、同居前から14.8キログラム減少しており、さらに10数か所の骨折、身体中の表皮剥奪や皮下出血がみられた。

 関係者らは「被告は岡田さんに雑用をさせ、パチンコに負けて機嫌が悪い時はゲンコツや木刀、金属棒で殴っていた」「別の人間とスパーリングをさせていた」などと証言している。食事についても「『働いてない奴に食わせられへん』とご飯に味噌汁をかけたものを与え、その後さらに減らし、与えない日もあった」ほか、「被告とAが岡田さんにゴキブリの足を食べさせていた」「岡田さんが自由に飲めたものはペットボトルに入った濁ったお茶だけだった」と、量や回数を減らすだけでなかった卑劣な実態を明かしている。

 傷害罪の被害者らも岡田さんと同様、一時期アパートに住んでいた男性たちだ。マッチングアプリで出会った者もいるという。彼らが負った怪我も、決して軽いものではなかった。1人の被害者は、救急搬送時に体重が32キロしかなく、栄養失調のため体温が28度まで下がり、一時的に心肺停止したことから、脳に障害が残っている。被告は、ほか2人の被害者に対してもゲンコツや木刀で殴る蹴るといった暴力を繰り返し、骨折や膵臓損傷を負わせた。

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