日本テレビの水卜麻美アナ(35才)との結婚を発表した俳優の中村倫也(36才)。“遅咲き”と言われる中村のブレイクまでの軌跡と、意外に少ない「俳優&女性アナ」カップルの結婚事情についてコラムニストで放送作家の山田美保子さんが解説する。
* * *
中村倫也と日本テレビの水卜麻美アナウンサーの電撃婚に巷では驚きと共に祝福の声が上がり続けている。
「生活に彩りと安心をもたらしてくれる、春風のような方です」とは中村が水卜アナについて記したコメント。これは視聴者が抱いている水卜アナのイメージと重なるうえ、中村が共通の知人を通じて「紹介してほしい」とアプローチしたというエピソードにも何だかほっこりさせられた。
同性からも好感度抜群の水卜アナゆえ、彼女に対してのネガティブな声は全くと言っていいほど見られないが、中村の女性ファンは当然のように“ロス”を訴えている。
わずか5年前に急浮上の“遅咲き”
言わずと知れた人気俳優。だが“遅咲き”でも知られている。現在の所属事務所にスカウトされたのは高校1年生のとき。知名度が上がるきっかけとなったのは、2018年前期、永野芽郁主演の連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK)だから、わずか5年前のことである。果たして中村は翌年の2019年7月期、黒木華主演の『凪のお暇』(TBS系)や、2020年10月期、森七菜主演の『この恋あたためますか』(同)などの恋愛ドラマ2作で女性人気を不動のものにした。
一方、2021年4月期の『珈琲いかがでしょう』(テレビ東京系)に代表される秘められた過去や傷をもつ役柄にも定評がある。ちなみに同作は、原作漫画のファンの間で「主人公が中村倫也にしか見えない」なる声が殺到したことから中村主演で実写化した経緯がある。
テレビCMでは海外出張中の妻・上野樹里を自宅で待つビビりな夫を演じる大和ハウス工業や、吉田鋼太郎と歌って踊る「ウマ娘 プリティーダ―ビー」などのチャーミングな作品が目立つ。
そんな中村は、いわゆる“カメレオン俳優”の一人なのだが、同じ「トップコート」に所属する松坂桃李や菅田将暉ら、同じくカメレオン俳優として人気の後輩たちに比べると、なかなかブレイクせず、仕事がない時期が続いていた。
「そのままでいい」と励まし続けた事務所社長
当然のように悩んでいた時代も長かったと推察できるが、2019年11月5日放送の『プロフェッショナル仕事の流儀』(NHK)でも、そんな中村についての時間が設けられた。同番組から密着を受けたのは所属事務所「トップコート」の渡辺万由美社長である。
少数精鋭ながら、木村佳乃を筆頭に、杏や前述の松坂桃李、菅田将暉に加え、杉野遥亮ら人気俳優ばかりが所属するプロダクションで、2023年後期のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』でヒロインを務める趣里も「トップコート」。