いよいよプロ野球のシーズンが開幕する。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の熱狂の裏側で穏やかじゃない事態になっていた球団も……。4人の現役記者を「緊急招集」。各球団のリアルな状況を語り合う。【全3回の第3回。第1回から読む】
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スポーツ紙記者C:巨人の苦しい状況を見ると、セ・リーグはヤクルトと阪神の優勝争いでしょうかね。
在阪スポーツ紙デスクB:そうとも言い切れないな。ヤクルトは村上(宗隆、23)、山田(哲人、30)、中村(悠平、32)、高橋(奎二、25)と投打の中心選手4人がWBCに出場した。年齢の若い村上は別として、山田、中村は休ませながら使うことになると思う。高橋も体が強い投手じゃないから、開幕はファームスタートの可能性が高い。シーズン序盤は苦しみそうな感じがするな。
スポーツ紙デスクA:村上はWBCの終盤で調子を上げたとはいえ、不安要素もある。我が強い村上に対して今やチーム内でアドバイスできるコーチがいないから、自力で調整できるかがポイントになる。
スポーツ紙記者D:僕が好成績を残すんじゃないかと思っているのはDeNAです。今のDeNAは、コミュニケーション能力の高い佐野(恵太、28)、WBCに出場した牧(秀悟、24)、今永(昇太、29)が主力メンバーになって結束力が強い。
在阪デスクB:サイ・ヤング賞右腕のトレバー・バウアー(32)の獲得も驚いた。DeNAは春先に調子が悪い傾向にあるから、そこを克服できれば25年ぶりの優勝もあり得るかもな。
スポーツ紙記者C:同じく雰囲気が良いと評判なのが、広島です。新井貴浩監督(46)は厳しさのなかに選手への愛情がある。現役時代から人望は厚かったですが、監督になっても変わりませんね。
デスクA:ただ、オープン戦で4連敗をしていたし、チーム改革はまだ道半ば。曾澤(翼、34)、菊池(涼介、33)、秋山(翔吾、34)らベテランたちの成績が落ちた時に彼らを“切れる”かどうかがカギだろう。
ヤンチャな森が「大人しい」
記者D:パでは、日本ハムにピリピリした空気が流れています。オープン戦2位と好調ですが、就任2年目の新庄剛志監督(51)は勝負の年と位置付け、昨年のようなパフォーマンスを封印して口数が少ない。緊張感が漂っています。
デスクA:清宮(幸太郎、23)がオープン戦で本塁打を量産しているが、新庄監督は「太ってきたのが気になる」と油断をさせず、レギュラーメンバーに確定させていない。ソフトバンクにFA移籍した近藤(健介、29)が抜けた穴も大きいし、メンバーを固めるにはもう少し時間がかかるだろう。