北朝鮮ではこのところ、最高指導者である金正恩・朝鮮労働党総書記の娘、金朱愛(ジュエ)さんが金氏とともにミサイル発射訓練などを視察する映像や写真が頻繁に伝えられている。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が伝えたところでは、北朝鮮北西部の平安北道の住民が「彼女(ジュエさん)はとてもよく食べているに違いない。彼女の顔はとても白く、月のようにふっくらとしている。でも、(北朝鮮の)ほとんどの人々はちゃんと食べられないから、頬骨が顔からはみ出ているのだ」と語り、怒りを隠せない様子だったという。
また、首都・平壌の北側に位置する平安南道の住民は、ジュエさんが今年2月26日に平壌市内の新しい道路の起工式に出席した様子について、「キム・ジュエの服装と外見は、普通の10代の少女とは全く違う」と憤っていたという。
ジュエさんは、金色のボタンが付いた毛皮のロングコートに金色の美しいブローチを付け、上質の革手袋をして起工式に出席。金正恩氏と他の最高幹部らとともに、シャベルで土を掘る際、完璧に整えられたヘアスタイルを崩さないように気を配っていた。
ジュエさんが初めて公の場に現れたのは昨年11月中旬、金氏と同行してのミサイル発射実験の視察だったが、これ以降、今年3月中旬のミサイル発射実験の視察で8回目となる。
北朝鮮当局は、ファッションの流行を追いかけることを「資本主義文化に浸っている」などとして罰している。一方で、ジュエさんのように、高級な服をまとい、髪をきれいに整えることは、まさに資本主義文化そのもの。特別扱いされるジュエさんに、市民らは怒りを抑えられないようだ。