ライフ

筋トレで筋肉がつきにくい日本人、減量に適しているのは有酸素運動 理想は1日20~30分週5日

運動も体内時計に影響(イメージ)

日本人に向いている運動とは(イメージ)

 効果的なダイエットを実践するには、体質を知っておく必要がある。日本人であれば。どういった運動や生活習慣がダイエットに繋がるのだろうか。日本人に合ったダイエットのための運動法について、予防医学の第一人者の奥田昌子さんが解説する。

 * * *
 減量には運動は欠かせません。大きな負荷をかけて瞬間的に力を入れるダンベル体操やスクワット、腕立て伏せなどの筋力トレーニングで筋肉を増やすと基礎代謝量が上がってやせやすくなるという話があります。お腹の脂肪を落とそうとして、一生懸命に腹筋運動をする人もいますね。基礎代謝量とは、心も体も安静にしているときに消費する必要最小限のエネルギーのことです。基礎代謝量が上がれば、一日を通じてエネルギーがそれだけ多く燃えることになります。

 しかし、そうはいきません。問題は3つあります。1つは、日本人は頑張って筋トレしても、欧米人と違って簡単に筋肉がつかないことです。筋肉の特性には遺伝による人種差があり、日本人を含むアジア人は欧米人やアフリカ人と違い、筋肉の持久力は高いものの、筋力が弱く、筋肉がつきにくいのです。2つめは、仮に猛烈に鍛えて筋肉を1kg増やしても、基礎代謝量の増加はキャラメル約1粒分のカロリーに過ぎないことです。

 そして3つめが、脂肪の量も基礎代謝と比例していることです。脂肪が減ると基礎代謝が下がるため、筋トレで筋肉を1kgつけても、脂肪が2kg落ちたら基礎代謝量はほとんど増えません。

 筋トレのほかに、サウナや岩盤浴で体を温めると代謝が上がるという説もあります。しかし、その程度の体温上昇で代謝量は変化しません。入浴でダイエットしたいなら、就寝する2時間ほど前にぬるめのお湯に入りましょう。これにより、寝つきがよくなってやせやすい体につながります。

 肥満の意外な原因が睡眠不足です。睡眠時間が不足すると、食欲を刺激するグレリンというホルモンの働きで食欲が高まる一方で、満足感をもたらすレプチンというホルモンが減るため、食べても満腹感が得られません。食欲がおさまらず、つい食べすぎてしまいます。その結果、睡眠時間が短い人ほど肥満度が高いことが確認されています。

 そして、覚えておきたいのが、日本人は基礎代謝量が年間で変動することです。気温が上がる春と夏は基礎代謝量が一年で最も低くなります。これは遺伝で決まっているため、基礎代謝を上げようとして効果の少ない努力をするより、春は秋や冬以上にカロリーの摂りすぎに気をつけてください。うっかり食べすぎてしまったら、それから3~4日は意識して脂質の摂取を減らします。

関連キーワード

関連記事

トピックス

「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン