14年ぶりの王座奪還に列島を沸かせた侍ジャパン。WBCでは、準決勝のメキシコ戦で9回に逆転サヨナラ2塁打を放ち、決勝の米国戦には右中間のアッパーデッキへの同点弾をぶち込んだ村上宗隆や、準決勝と決勝で先発マスクを託され優勝に貢献した中村悠平、豪州戦に第二先発として1安打無失点、2奪三振の好投を見せた高橋奎二など、ヤクルト勢が大活躍した。
その大会期間中だった3月14日の夜、ヤクルトの高津臣吾監督はブルペン捕手の大塚淳ともう1人の3人で、東京・麻布十番の高級焼肉店を訪れていた。
その日の昼間、ヤクルトは神宮球場でロッテを迎えてのオープン戦を4対2で勝利している。昨年チーム最多の9勝を挙げたサイ・スニードが3回を投げ、開幕ローテの目処が立った。リリーフで登板した昨年7勝の高梨裕稔も先発候補に名乗りを上げた。リーグ3連覇、日本一奪回に向け順調に仕上がりを見せている。
ちょうどこの日はWBC準々決勝のイタリア戦を2日後に控えていたため、話題は自然とWBCに関するものに。居合わせた客はこう話す。
「3人はハイペースでハイボールや芋焼酎のソーダ割りを飲んでいましたが、たまに聞こえてくる会話は『(準々決勝で対戦する)イタリアは強いよ』『(大塚に向かって)友ちゃん(高橋奎二の妻の板野友美)を気安く呼ぶなよ~。でも可愛いよね』『高橋(奎二)は今年も調子がいいよね』といった内容でした。村上選手についても話していたようですが、よく聞こえませんでした」
そんな中、話は「マスク問題」へも波及したという。
「大塚さんが『マスクは今後どうするんですか?』と質問した時、高津監督が『ナイターの時はマスクをしないかな。でも表情を読まれるからな……』と答えていたのが印象的でした。2時間ほど店に滞在した後、高津監督が『蕎麦を食べに行くぞ』と言って、3人は店を出ていきました」(同前)
この件について高津監督に聞くと、こう答えた。
「詳しくは覚えておりませんが、マスクがあると目元しか表情が出ないので、何か喋っているとか、例えば動揺しているとかが相手ベンチからわかりづらい。そういう意味のことを言ったんだと思います。特別深い意味はなく喋っていたと思います(苦笑)」