大手メディアが報じることが少ないのが、新型コロナウイルスワクチンの後遺症だ。今年3月の時点で41人の接種後死亡救済が認定され、ワクチンによる被害は国も認めている。『薬害「コロナワクチン後遺症」』の著者でジャーナリストの鳥集徹さんが言う。
「ワクチン接種後に体調不良が生じて日常生活がままならなくなる人は少なくなく、私が取材した20名ほどのワクチン後遺症患者は呼吸苦や強い倦怠感、筋力の低下や頭痛、ブレインフォグなどの症状で苦しんでいました。それでも国や大学病院、総合病院の多くは『薬害』であるワクチン後遺症を認めず、一通り検査をして異常が見つからなければ、患者がどんなに体調不良を訴えても、その先の治療になかなか進めません」
患者が不利益を被るケースも目立つという。
「いくつかの病院に診察を拒まれて路頭に迷い、高額な自由診療に走る患者もいるようです。合計で100万円単位になる特殊な後遺症の治療を行うクリニックもある。診察時に“あなたの症状は心因性”と心療内科を紹介され、依存性のある抗不安薬や抗うつ剤を処方される事例も多いです」(鳥集さん)
ワクチンがトリガーとなって引き起こされた病気を治療しなければならないケースもある。ワクチン後遺症患者を多数診療する、ほんべつ循環器内科クリニック理事長で医師の藤沢明徳さんが続ける。
「ワクチンを接種すると、血液のがんである悪性リンパ腫が増えるとの報告があります。それが本当にワクチンの後遺症であると確定診断するには基幹病院で検査し、リンパ節の組織の中にワクチンに由来する『スパイクたんぱく』が含まれることを証明する必要がありますが、保険適用でないためほとんどの病院が検査を引き受けません。その結果、ワクチンとの因果関係が不明なまま悪性リンパ腫の治療が始まり、患者には一般的ながん治療の医療費が発生してしまうのです」
こうした後遺症について治療法は確立されていないが、「薬」「栄養」「セルフケア」がカギになると藤沢さんは話す。