時事ネタに強いテレビ朝日系『羽鳥慎一モーニングショー』、独自ネタが多いフジテレビ系『めざまし8』など、朝8時台の情報番組は激戦区だ。そして、その中でもっとも異色な存在が、麒麟・川島明がMCを務めるTBS系の『ラヴィット!』だ。
いまや若者を中心に人気急上昇中の『ラヴィット!』はニュースなし、ワイドショーなしと明言したバラエティー番組。コンセプトは“日本でいちばん明るい朝番組”だ。
昨年末に放送された特番『ゴールデンラヴィット!』は「朝の情報番組の概念を変えた」と高く評価され、2023年1月のギャラクシー賞を受賞。さらには4月から『夜明けのラヴィット!』(土曜、朝5時45分〜7時30分)もスタートする。ここまで人気番組となった理由はどこにあるのか。テレビプロデューサーの鎮目博道さんが説明する。
「スタジオには毎日たくさんのゲストがいるのですが、スタッフが出演回数をきちんと把握していて、全曜日に出演したら“グランドスラム達成”とお祝いしたり、誕生日をお祝いしたり、これまで楽屋でやっていたような出演者へのケアをオンエア中に行っているんですよ。出演者は本当にうれしそうですし、そういう全力で楽しんでいる感じが画面越しに視聴者に伝わるんじゃないでしょうか」
オープニングが長いことで知られ、2時間丸々オープニングトークとなり、予定されていた企画VTRを後日にずらされたこともある。が、これがファンには大ウケ。「さすがラヴィット!笑」と絶賛されているのだ。
たとえば、3月17日の放送回はオープニング64分と“平常運転”。芸人のくっきー!が子供の卒業式のためにスーツで出演し「おめでとうちゃん」と子供に向けてメッセージを伝えるなど、アットホームな雰囲気だった。終始川島がニコニコしているのにもつられ、気づくと笑顔になっている。
「芸人さんの力だけに頼らず、毎回、ゲスト入りのロケVTRが入っていることも高評価ポイントです。というのも、実はだいたいのテレビ番組ってスタジオで生放送する方が楽だし安上がりなんです。なのにあえて現地に行って撮影をして、編集をする。最近のワイドショーもなかなかできることではありません。手間と人件費をかけてもやる、スタッフの熱意に感心するばかりです」(鎮目さん)
同日の番組では、東京ホテイソンとAぇ!groupの佐野晶哉、庄司智春ら5人が、北海道の札幌二条市場での早朝グルメスポットをロケ取材。早朝、遠方、大所帯……その労力がうかがえる。
取材・文/辻本幸路
※女性セブン2023年4月13日号