芸能

60代記者がスッキリの“ペンギン池事件”に苦言「スタッフは高齢化社会を実感していない」

謝罪していたオードリー春日

ペンギン池に落下したオードリー春日

 しばしば炎上騒動を引き起こすのが、テレビ番組の演出。最近では、『スッキリ』での“ペンギン池事件”が記憶に新しい。体験取材を得意とする女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子が、そんなテレビの演出に、率直な意見をぶつける。

 * * *
 いい年して「水に落ちた犬は打て」みたいなことはしたくないけど、あぁ、やっぱり言いたい。

 ほかでもない、朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系、3月24日放送)のペンギン池事件のことよ。

 栃木県の「那須どうぶつ王国」でペンギンにエサやりをする企画で、池の縁に立つオードリー・春日俊彰に向かってMCの加藤浩次が「気をつけろよ」「落ちんなよ!」と言って、けしかけた。それに応じて春日がご丁寧に3回も池に落ちた。すると放送直後から批判が殺到。番組はもちろん、日テレの社長まで謝罪する騒動となったのはご存じの通りだ。

 同園が撮影に協力したのは、日本動物園水族館協会が公式ホームページで表明した通り、《広く人々に動物たちや命の大切さを知り学んでいただき、さらに生物多様性や地球環境の保全にも関心を向けていただくことを望んでいるから》で、うわべだけの笑いを提供するためではない。

 今回の炎上は動物愛護精神を踏みにじるものだったけど、それだけじゃない。加藤・春日をはじめ、この企画を決行したスタッフは大きな思い違いをしていたと私は思うの。

 それは“高齢化社会を実感していない”ということ。この記事が出る頃はすっかり暖かくなっているだろうけど、三寒四温の春先は、気温の乱高下に体がついていかないのが中高年よ。

 寒い日が続いた冬の記憶がある中、ペンギンがいる冷たい池に落ちた映像を見せられてご覧よ。たとえ画面の向こうの出来事だとしても、身が縮んで笑えないって。

 騒動翌日はグッと冷えて最高気温11.9℃。そりゃあ、高齢の視聴者は「非常識にもほどがある」と怒りたくもなるって。

 お笑いの人たちは「だから笑いが取れるんだ」って強がるかもしれないけど、視聴者の感覚とズレている。テレビの作り手は、わが国の総人口の28.4%が65才以上(2019年10月時点)の高齢化社会であることを、頭ではわかっていても心の底では承知していないんだって。

 それにそもそも、気の弱い私はイジメ芸が大の苦手でね。その昔、同棲していた男が『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)が大好きだったけれど、私はどうしても笑えない。

 特にエンディングの水攻めがダメ。そのシーンで大笑いする男が理解できなかったの。スッとテレビから離れる私に、男は「一緒に見ろよ」と言いたげなむっとした様子で、それだけが原因じゃないけど、ほどなく関係は解消した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《10年抗争がなぜ突然?》六代目山口組が神戸山口組との抗争終結を宣言 前兆として駆け巡った噂と直後に投稿された怪文書
NEWSポストセブン
川崎
“トリプルボギー不倫”川崎春花が復帰で「頑張れ!」と声援も そのウラで下部ツアー挑戦中の「妻」に異変
NEWSポストセブン
最後まで復活を信じていた
《海外メディアでも物議》八代亜紀さん“プライベート写真”付きCD発売がファンの多いブラジルで報道…レコード会社社長は「もう取材は受けられない」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《“ショーンK復活”が話題に》リニューアルされたHP上のコンサル実績が300社→720社に倍増…本人が答えた真相「色んなことをやってます」
NEWSポストセブン
依然として将来が不明瞭なままである愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
愛子さま、結婚に立ちはだかる「夫婦別姓反対」の壁 将来の夫が別姓を名乗れないなら結婚はままならない 世論から目を背けて答えを出さない政府への憂悶
女性セブン
28歳で夜の世界に飛び込んだ西山さん
【インタビュー】世界でバズった六本木のコール芸「西山ダディダディ」誕生秘話、“夢がない”脱サラ社員が「軽い気持ち」で始めたバーダンスが人生一変
NEWSポストセブン
通算勝利数の歴代トップ3(左から小山さん、金田さん、米田さん)
追悼・小山正明さん 金田正一さん、米田哲也さんとの「3人合わせて『1070勝』鼎談」で「投げて強い肩を作れ」と説き、「時代が変わっても野球は変わらない」と強調
NEWSポストセブン
行列に並ぶことを一時ストップさせた公式ショップ(読者提供)
《大阪・関西万博「開幕日」のトラブル》「ハイジはそんなこと望んでいない!」大人気「スイス館」の前で起きた“行列崩壊”の一部始終
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《“イケメン俳優が集まるバー”目撃談》田中圭と永野芽郁が酒席で見せた“2人の信頼関係”「酔った2人がじゃれ合いながらバーの玄関を開けて」
NEWSポストセブン
六代目体制は20年を迎え、七代目への関心も高まる。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
山口組がナンバー2の「若頭」を電撃交代で「七代目体制」に波乱 司忍組長から続く「弘道会出身者が枢要ポスト占める状況」への不満にどう対応するか
NEWSポストセブン
日本館で来場者を迎えるイベントに出席した藤原紀香(時事通信フォト)
《雅子さまを迎えたコンサバなパンツ姿》藤原紀香の万博ファッションは「正統派で完璧すぎる」「あっぱれ。そのまま突き抜けて」とファッションディレクター解説
NEWSポストセブン
ライブ配信中に、東京都・高田馬場の路上で刺され亡くなった佐藤愛里さん(22)。事件前後に流れ続けた映像は、犯行の生々しい一幕をとらえていた(友人提供)
《22歳女性ライバー最上あいさん刺殺》「葬式もお別れ会もなく…」友人が語る“事件後の悲劇”「イベントさえなければ、まだ生きていたのかな」
NEWSポストセブン