債権者の多くは立花氏の支持者とみられており、立花氏は「政党助成金」が入るから返済は可能と説明していた。その立花氏が党首を辞任したのだから債権者が不安になるのは無理もない。
それが内紛につながる。立花氏は新党首の大津氏が黒川氏と政治資金パーティーを計画していたことを批判し大津氏の党首交代に動いたが、交渉は決裂。大津氏はツイッターで立花氏とみられる人物から代表権返上を求められたLINEでのやりとりを公表するなど、幹部たちが分裂した。
『「NHKから国民を守る党」とは何だったのか?』(新評論)の著者の選挙ウォッチャーちだい氏が語る。
「立花氏はガーシー問題で辞任したあと、後任の党首に真面目でおとなしそうな大津氏を据えた。立花氏は傀儡のつもりだったかもしれないが、大津氏は党の問題点を改めるために弁護士に相談するなど自主性を発揮しようとした。立花氏にすれば誤算だったのではないか。それで代表権返上を求めたわけです。
黒川氏との対立は、ガーシーの議員除名で旧NHK党では参院比例名簿で次々点だった黒川氏が繰り上げ当選する順番だったが、立花氏は黒川氏に月130万円の活動金を渡すと約束し辞退させたのに、その約束を立花氏が反故にしたことがきっかけでこじれている」
金の流れを明らかにする
当事者3人の言い分を聞こう。まずは立花氏だ。
「簡単に言うと、黒川君が大津党首を懐に入れて国政政党の乗っ取り計画を仕掛けた。それを私が潰しにいったということです」
黒川氏はこう言う。
「今回の問題の根本は、立花氏はイエスマン以外は使いたくない。私や大津さんは立花氏にはっきり意見を言うので切りたい。しかし、そんな組織には未来がないので、私や大津さんは従わなかった。だから立花氏は自分で取り付け騒ぎを起こして、辞めさせようと企んだ。私が金に汚いというようなことを繰り返し言って、私個人の名誉の問題もあるので、法的措置を行なうつもりです」