中国は消費低迷などの影響で、今年1月と2月の国家一般歳入が前年比1.2%減と発表したが、国家予算としては2023年に過去最大の財政赤字を計上することになった。赤字はGDPの3%の3兆8800億元(約74兆円)に達するという。
そんななか、経済不振の影響を最も受けているのが、失業生活を余儀なくされている若者世代だ。
ある失業中の若者が米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」に語ったところでは、広東省深セン市では仕事が見つからない多くの人々が道路の軒下で寝ているという。また、空港の待合室や24時間営業のマクドナルドなどに入り浸っている者もいる。
このような状況について、北京在住のインターネット評論家、趙氏はRFAに対して、「北京では大学生をはじめ多くの人が就職できず、修士課程の学生や医師でさえ失業しているほど問題は深刻だ」と語っている。
今年6月には、過去最多となる1158万人が大学を卒業すると予想されており、経済成長率の低下に伴い、雇用環境がさらに厳しさを増すことも懸念されている。
昨年12月には厳しいゼロコロナ政策に反対して、大学生らが白紙を掲げて、政府批判を展開する「白紙革命」が起こったほか、老齢者の医療改革に反対する「白髪革命」も大連市や広州市などで発生しており、当局は神経を尖らせている。
このため、中国公安省は3月28日、同省のホームページで、今後3年間の主要な活動について、「国家安全保障と社会安定の草の根的基盤を強化するためにあらゆる努力をする」として、社会不安の芽を摘むため、中国全土で草の根の取り締まりを行う警官を増員することを明らかにしており、警察による取り締まりが強化されることが予想されている。