エンタメの世界では「転生モノ」が大ブームの昨今。「前世占い」を試したことがある人も少なくないだろう。だからといって、“前世の記憶がある”と話す人はめったにいながい、一方で母親の胎内にいたときの記憶を語る子供は珍しくない。
胎内記憶の第一人者で産婦人科医の池川明さんは、約30年にわたって3500名以上の保育園児にアンケート調査を重ね、約3割の子供に「胎内記憶」があったという。
「生まれてすぐの赤ちゃんには記憶がないというのが医学の常識ですが、驚くべきことに詳細に覚えている子供がいます。当初は『母体がどんな状態であれば胎児にとって快適か』を少しでも知ることができたらと思い、個人的に調べ始めたのですが、想像していた以上に具体的な記憶を持つ子供が多く、産婦人科学会でも発表しました。子供たちの記憶はさまざまで、母親の胎内が『暗かった』『温かかった』と話す子もいれば、『足をつかまれて引きずり出された』と帝王切開で生まれた記憶を語る子もいます」(池川さん・以下同)
池川さんはこうした胎内記憶や前世についてYouTubeでも発信。反響とともに「実は自分も記憶を持っている」という声も多数集まっているという。
さらに、前世の記憶があると話す子供もいた。
「仙台に住んでいる女の子は、『小学3年生になって登校する初めての日に、車にひかれて死んでしまった。だから、今度は気をつける』と話していました。ある女の子は『女優になりたいから、きれいなお母さんを選んで生まれてきた』とはっきり語っています」
“生まれ変わり”についてもいま、世界中で調査や研究が進んでいる。中部大学教授・バージニア大学客員教授で、日本における生まれ変わり研究の第一人者である大門正幸さんが言う。
「生まれ変わりは、“パラサイコロジー”といって、海外では超心理学という学問として研究されています。これまでに調査された2300件ほどの事例を収録したデータベースの分析結果では、生まれ変わりにかかる期間は、平均4年9か月となっています」
大門さんによると、前世を覚えている子供にはいくつかの共通点があるという。