多数の人気アナが異動したNHKの4月改編。若手とベテランが群雄割拠するなかで、圧倒的勝者となったのはやはり和久田麻由子アナ(34)だった──。
後続番組にも好影響
和久田アナが復帰し、リニューアル初日となった4月3日の『ニュース7』は平均世帯視聴率11.1%を記録。「前4週の平均が10%程度だったことを考えると、はやくも和久田効果が現われた形です」とNHK関係者。女子アナウォッチャーの丸山大次郎氏もこう話す。
「滑舌が良く、原稿読みは完璧。凜とした佇まいが硬派な『ニュース7』にピタリとハマりました。この番組は作りがシンプルなので、アナウンサーのテクニカルな部分が如実に出るのですが、ブランクを一切感じさせない和久田アナはさすがの一言です」
同日の放送では、春らしく純白のスーツと赤のインナーで登場した和久田アナが、ロシア情勢や日銀短観などをよどみなく伝えた。お天気コーナーでは、気象予報士の晴山紋音と桜の開花状況について笑顔で掛け合う一幕も。別のNHK関係者の話。
「同僚アナやスタッフとの関係は良好で、東京に異動してきたばかりの若手アナとも和気藹々と交流しています。みんな和久田アナの人気と実力は認めていて、特に若手にとっては目指すべき目標と映っているようです」
ネット上では和久田アナの出演シーンをキャプチャーした画像が大量に出回り、復帰当日にNHKアナウンス室の公式ツイッターがアップした和久田アナの15秒の挨拶動画には1000件近い「いいね!」がついた。
「ここまで復帰が待望されたアナは近年見たことがない」と女子アナに詳しいライターの島本拓氏も驚く。和久田アナの影響は『ニュース7』だけに留まらない。
「その後は『クローズアップ現代』の桑子真帆アナ(35)が控えており、ツートップでバトンを繋ぐことで後続番組も相乗効果で視聴率アップが見込めます。そして9時台には林田アナの『ニュースウオッチ9』が始まる。和久田アナを起点にすることで、夜7時から文字通りNHKの“ゴールデンタイム”が訪れるのです」(島本氏)
視聴者のチャンネルをNHKに固定させる。和久田アナの復帰により、そんな好循環が生まれようとしている。鉄壁の布陣を敷くNHKだが、懸念点もあると丸山氏は指摘する。
「和久田アナ一強状態ゆえに、彼女の負担が心配になります。赤ちゃんを抱えながら月?木の帯番組を担当するのはハードです。しばらくすれば『ニュース7』以外の仕事も増えてくるでしょう。育児と仕事で精神的にも肉体的にも限界を迎えなければいいのですが……。局としても和久田アナのワークライフバランスに配慮して、サポート体制を万全にしてほしい」
明るく元気な和久田アナをずっと見ていたい。
※週刊ポスト2023年4月21日号