洋楽の影響を受けたシンガーソングライターたちによる爽やかで都会的なメロディに、誰もが酔いしれた──。1970年代から1980年代にかけての日本の音楽シーンを彩ったシティポップが今、世界を席巻している。世界的に人気が高いシティポップの名曲としては、竹内まりや『プラスティック・ラブ』(1984年)、松原みき『真夜中のドア~Stay With Me~』(1979年)、泰葉『フライディ・チャイナタウン』(1981年)などが有名だが、それ以外にも多くの名曲がある。世界で再発見されたシティポップの名曲を紹介しよう。
●稲垣潤一『ドラマティック・レイン』(1982年)
作詞:秋元康/作曲:筒美京平
1983年に発売された『Shylights』の先行シングルとして大ヒットした。シティポップの楽曲に仕上げたのは、数々のヒット作を手掛けてきた、秋元康と筒美京平という豪華な作家陣。情感にあふれた稲垣の歌唱が、歌の世界観をより個性的に表現している。
●大橋純子『テレフォン・ナンバー』(1981年)
作詞:三浦徳子/作曲:佐藤健
それまでバックバンドとして活動を共にしてきた美乃屋セントラル・ステイションを解散させてソロ活動に戻った際のアルバム『TEA FOR TEARS』の収録曲。AORを意識したメロウな曲風は評価が高く、昨今のシティポップブームで再注目されている。
●杏里『Remember Summer Days』(1983年)
作詞/作曲:角松敏生
ヒット曲『悲しみがとまらない』のB面に収録された楽曲だが、1988年のCDシングル盤ではカットされている。角松敏生による、夏の終わりをノスタルジックに描いたアーバンブギーな楽曲で、2019年に韓国のDJ・Night Tempoの発表したリミックス版で注目を集めた。