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岸田首相襲撃犯・木村隆二容疑者の学生時代「陰キャと言われていた」「パタリと消えた父親の怒鳴り声」

 学生時代が明らかになってきた木村容疑者

学生時代が明らかになってきた木村容疑者(写真は和歌山西署を出る様子。共同通信社)

 大阪と神戸の間に位置し、ベッドタウンとして発展してきた兵庫県川西市。整然と区画整理された新興住宅地の一角に、ガレージと庭のついた洒脱な一戸建てがある。広い庭はきれいに手入れされており、この春にはチューリップが咲き誇っていた。ここは、威力業務妨害の疑いで現行犯逮捕された木村隆二容疑者(24才)の自宅である。

「彼は、お母さんと仲がよかったですよ。一緒に近所のドン・キホーテに買い物に行ったり、お庭のガーデニングをしたりしていました。“事件”の3週間前にも、チューリップが咲いている花壇の草むしりをしていてね。目が合うと“おはようございます”と挨拶をしてくれる、感じのいい子だったんですよ。まさか“テロ”を起こすなんて……」(近隣住民)

 その自宅から100kmほど離れた和歌山県和歌山市雑賀崎の漁港で、日本中を震撼させた事件が起きたのは4月15日のことだった。同日、岸田文雄首相(65才)は、衆院補欠選挙の応援で、雑賀崎漁港を訪れていた。

 集まった地元の漁業関係者らは200人ほど。演説が始まろうかというときだった。首相めがけて投げ込まれた銀色の筒がアスファルトに落ち、カランカランという金属音を立てる。ほぼ同時に、赤いシャツを着た漁師が投げた男に飛びかかり、ヘッドロックをかました。

「押さえろ! こいつや!」

 地元の漁師たち、そしてSPや警察官が、次々に男を押さえにかかる。異常事態を察知した首相はすぐさま車に乗り、現場を離れた。次の瞬間、「ドン」という爆発音と同時に閃光が爆ぜ、あたりは白煙に包まれた。一斉に悲鳴が上がり、散り散りに逃げる聴衆。現場はパニックに陥った──。

 威力業務妨害の疑いで現行犯逮捕されたのは、職業不詳・木村隆二容疑者。現場で押収された爆発物とみられる銀色で筒状の物体2つのほかに、当日の荷物からは刃渡り約13cmの果物ナイフも見つかった。取り調べに対しては「弁護士が来てから話します」と供述し、黙秘を続けているという。近隣住民らによると、木村容疑者は、約15年前に冒頭の一戸建てに越してきた。

「小学校では明るい人気者だった一方で、自分からみんなの輪に入ろうとしない、引っ込み思案な部分もありました。所属していた地元のサッカークラブは、5年生のときには来なくなり、結局辞めてしまった。ゲームにハマり、ひとりで遊ぶようになったようです。中学時代には、仲がよかったグループの2~3人と仲違いしていじめにあい、登校も少なくなった。“陰キャ”と言われていたと息子から話を聞きました」(木村容疑者の同級生の母)

 かくして同級生の輪から“フェードアウト”した木村容疑者。しばらくすると、家族関係にも変化があったようだ。

「木村家は両親と兄姉の5人家族です。ただ、7年ほど前から運送業を自営していたというお父さんの姿を見ていません。家にいたときには怒鳴り声がしょっちゅう聞こえてきましたが、その声もパタリとなくなりました」(前出・近隣住民)

 自分の世界にこもり、外部との接触を好まなかった木村容疑者。コロナ禍に入ると、その生活は加速していったようだ。

「近所のスーパーで買ったおにぎりやサンドイッチをお供に、午前中から公園でひとり、分厚い本を読んでいたのを見かけました。自宅から、ギターの弾き語りを練習する歌声が聞こえてきたこともありました」(別の近隣住民)

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