臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、TOKIOの元メンバー・山口達也氏(51才)について。
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ネットニュースに出ていた写真の顔を見て、一瞬、誰だか分からかった。書かれている名前を見ても、本当にそうなのか?と疑ってしまいたくなるほど、見た目の印象が違う。アイドルグループ「TOKIO」の元メンバー、山口達也さんだ。
それは4月17日の朝日新聞DIGITALに掲載された、インタビューに応じている山口さんの姿だ。撮影したのは4月3日だという。アイドルの頃とヘアスタイルが違っている、シャープだった顎のラインが、丸みを帯びているなど部分的な違いもある。人が相手を見て印象を判断するのに要する時間は0.1秒だといわれる。表現が妥当かどうかわからないが憑き物が落ちた、そんな印象を受けた。
山口さんで思い出すのは。やはり2018年に起こした未成年者への強制わいせつ事件。同年4月26日、東京都内のホテルで行った謝罪会見では、黒のスーツに黒いネクタイで現れ、フラッシュを浴びながら約30秒にわたり深々と頭を下げた姿が印象に残っている。沢山のレポーターらに囲まれ、突き出されたマイクにうつむいたまま涙ぐみ、声を震わせながら答えていたが、おびえて追い詰められたような目と険のある顔つきが、彼の精神状態や置かれた状況を表していた。この時、所属していたジャニーズ事務所から、芸能活動の無期限謹慎が発表された。
表舞台から姿を消した山口さんが、再びメディアに取り上げられたのは、2020年9月に起こしたバイク事故だった。大型バイクを運転中、交差点で信号待ちしていた車に追突。酒気帯び運転で現行犯逮捕された。どちらも飲酒時に起こしたもので、この時ニュースを知ったほとんどの人は、彼はアルコール依存症だと思っただろう。
記事のタイトルは『山口達也さん「恐ろしい、ようやく気づいた」アルコール依存症を語る』だ。事故後、ようやく恐ろしさに気づき、依存症だと認めたという彼は、2020年11月からアルコール依存症の専門病院に入院して治療を受け、今も自助グループに通い続けているそうだ。