首相官邸で行なわれた記者団とのオフレコ懇談会で、性的少数者(LGBT)について「僕だって見るのも嫌だ」「秘書官室もみんな反対する」「同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」などと発言し、更迭された荒井勝喜・前首相秘書官。毎日新聞の女性官邸キャップA氏が“オフレコ破り”をして報じたことがきっかけだったが、そのA氏が今年5月、別の部署に異動することになったという。毎日新聞関係者は言う。
「2月下旬に毎日新聞内で内示が発表され、A氏はこの5月から、『毎日みらい創造ラボ』という部署に異動になるのだそうです。その部署は、新規事業開発やイノベーションの推進、起業家の支援、新しいメディアコンテンツの創出などをする部署です」
A氏は2003年に入社後、高松支局、奈良支局などを経て2011年から政治部へ。2021年4月から平河クラブ(与党担当)キャップを務め、2022年4月から官邸キャップを務めていたという。
「毎日新聞社内では女性としては異例の出世を遂げており、次は政治部デスクになると言われていました。何しろ2021年8月には、当時の菅義偉・首相が9月中旬に解散の意向を示しているというスクープを飛ばした。その後、結局解散は行なわれませんでしたが、あの報道により菅首相は解散を封じられ、退陣に追い込まれたとされています。政治部記者界隈では、“菅さんと荒井さんのクビを取った女性”と言われているほどです」(同前)
その政治部エースの異動。記者としてバリバリで仕事をしていたタイミングだけに、他紙の政治部記者からは「オフレコ破りが影響しているのではないか」との声があがっているのだ。
同性婚をめぐる議論が予算委員会で行なわれていた2月3日、岸田文雄・首相が「(同性婚を認めると)社会が変わる」という発言をしたことについて記者団が荒井氏に話を聞いていると、荒井氏が「僕だって嫌ですもん、隣に住んでても。秘書官連中に聞いたら絶対皆嫌って言いますよ」などと発言した。これをスッパ抜いたのがA氏だった。全国紙政治部記者が言う。