日本に先駆けて公開された海外では、初週で『アナ雪2』を超え、興行収入は1000億円に迫る記録ずくめの大ヒット! 日本では4月28日に公開される『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。世界で好評を博す今作の見どころと、ヒットの裏側を映画評論家・前田有一氏が解説。これを読んで作品の魅力をいち早く“攻略”しよう。
「ブロックを叩くとアイテムが出たり、ファミコン版のように横スクロールで画面が展開したり、最後はポールに飛びついて、降りてくる。ゲームの世界観を映画にするというのはよくあるが、『ゲームのシーンをそのまま映画にしている』のは画期的です。任天堂が製作に参加しているので、『ちゃんとマリオになっているじゃん!』と予告映像からも期待できる作品です」(前田氏・以下同)
アニメーション映画として、2019年公開の『アナと雪の女王2』を上回るオープニング興行収入を記録した今作。ニューヨークが舞台で、マリオとルイージの配管工を営む兄弟が、地下のマンホールからキノコ王国に迷い込む。そこでピーチ姫と世界の危機を救うという話だ。
「基本的にキャラクタービジネスの中では、ゲームというジャンルはすごく強いんですよ。視聴者が受け身のアニメや映画とは違い、ゲームは自分が能動的にキャラを動かして勝たなければいけないので、世界観への没入感が段違いなんです。その中でもマリオというのはトップクラスでメジャーなキャラクター。全世界の人が愛しているマリオの、初めての公式的なアニメーション映画ということで、話題を呼んだのでしょう」
【1】ピーチ姫が運動神経抜群! 戦うヒロインとして活躍
「ゲームではクッパにさらわれてしまうだけのピーチ姫ですが、今作は運動神経抜群の戦うヒロインなんです。マーベルの映画における『キャプテン・マーベル』など、最近のハリウッド映画では定番の流れです」
【2】マリオカートなどゲームの世界を忠実に再現
「たとえばマリオカートで、道から落っこちて、別の道に着地するシーンがあります。これはゲームでのショートカットの裏ワザと同じです。ほかにもキノコを食べて大きくなる音、ジャンプの音などが、ゲームと同じ効果音で再現されています」
【3】1980年代から最近のマリオまで親子2代で楽しめる
「子供たちに人気の『スーパーマリオ 3Dワールド』のネコマリオが出てきます。また初代『スーパーマリオブラザーズ』は’85年発売なので、親世代ですよね。そういう人たちも喜ぶファミコン時代のキャラやステージが出てきます」
【4】ルイージが母性本能くすぐる味のあるキャラクターに
「兄のマリオは、リーダーシップがあって、常に弟を引っ張っていきますが、一方でルイージはクッパに捕まってしまいますし、少し引っ込み思案なキャラクター。ただ、海外ではウケているので、母性本能をくすぐるのかもしれません」
※女性セブン2023年5月4日号