香港で、4月14日、タイの水かけ祭り「ソンクラーン」を真似た九龍地区の水かけ祭りで、若い男性数人のグループが街頭で警備中だった警官隊に向けて大型の水鉄砲を発射したところ、びしょ濡れになった警官たちが「平和を破壊する扇動罪」容疑でこのグループの2人を逮捕していたことが分かった。
その場にいた市民たちからは「若者は水かけ祭りでふざけていただけ。警察はいつから水鉄砲を武器とみなすようになったのか」などと抗議の声を上げている。香港メディアが報じた。
記者会見した香港警察の幹部によると、男性グループは6人で、警官隊のほか、祭りの取材していた中国系テレビ局「TVB」クルーを見つけると、大きな声を出するなどしたあと、至近距離から腕で抱えるほどの大型の水鉄砲で水を発射したという。
「この間、およそ3分間で、彼らは注意しても水をかけるのを止めなかったため、社会秩序を乱す意図があるとみなして、身柄を確保しようとしたが、4人は逃げて、逮捕したのは2人だけだった」とこの幹部は語っている。
警察官が何らかのお祭りの最中に水や粉を投げつけられたのは今回の事件が初めてではないが、水鉄砲で警官に水をかけたことで、市民から逮捕者が出たのは初めてだという。
親中派のメディアからは「映像を見たり目撃者の話を聞くと、彼らは水をかけるふりをしながら、本当はトラブルを起こそうとしていたのだ。そのまま放置していたら、警官やテレビクルーに負傷者がでたかもしれない。警察の措置は適正だった」などとする意見が出ている。
一方民主派からは、「香港国家安全維持法が2020年6月に施行されてから、中国の方針に反対するデモや集会などは弾圧されてきたが、水鉄砲を発射することさえ『国家安全』の問題とみなすことができるということなのだろう。あまりにもナンセンスだが、自由な主張ができたのは昔のことで、現在の香港は様変わりしてしまった」とする意見も出ている。