プロ野球では例年以上に激しい順位争いが繰り広げられているが、注目を集めるのが、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)組の活躍だ。特に投手陣は、防御率0点台のロッテ・佐々木朗希(21)をはじめ、巨人・戸郷翔征(23)やDeNA・今永昇太(29)など下馬評通りの活躍で好調をキープしている選手が目立っている。
本誌・週刊ポストの4月27日発売号では野球評論家の江本孟紀氏、中畑清氏、達川光男氏による座談会を掲載し、今季のプロ野球の展開について語り合ってもらった。取材現場ではWBC組の投手陣の活躍にも話題が及んだ。その理由について中畑氏はこう話した。
「やはりパドレスのダルビッシュ有(36)の影響が大きかったんだと思う。投手経験がないから細かい技術的なことはわからないけど、ピッチャー陣の中で変化球やコンビネーションに対する意識が変わっているように見えます。
特に佐々木は、スライダーに対する意識が変わったというか、スライダーの使い方がWBC前よりかなり上達している。これまではカウントを取るための球でしかなかったが、今シーズンは決め球として使えるようになった。ひと回りキレがよくなったような変化も感じる。WBCではダルビッシュの指導を楽しそうに聞いていたけど、彼の成功している姿を見ているだけに、かなり説得力があったんだろうね。臨時コーチとしては、最高だったのではないかな」