今シーズンから全30チームが必ず対戦する試合形式になり、日本人対決が増えるメジャーリーグ。なかでも最大の注目は、6月7~9日(日本時間)にアナハイムで行なわれる大谷翔平vs鈴木誠也(カブス・28)の直接対決だ。メジャー担当記者が語る。
「2人は同級生で、プライベートではLINEで連絡を取り合う仲。誠也は今年3月のWBCで大会直前に左脇腹の張りで出場辞退を決めた際、大谷に直接連絡して『申し訳ない』と詫びたそうです」
メジャーリーグ評論家の福島良一氏も両者の対決を心待ちにする。
「ただでさえ同級生対決で特別な意識があるなか、侍ジャパンが世界一になって大谷が世界中から注目されています。WBC出場を直前で逃した誠也は直接勝負で何としても存在感を見せたいはず」
4月15日のドジャース戦、4番ライトでシーズン初出場した鈴木は、復帰戦でいきなりホームラン。復帰4試合目には1試合3安打を放った。
「メジャーを代表する投手となった大谷の球を打ち返すことは容易ではない。ただ、それでもメジャー1年目に14本塁打を記録した誠也が大谷を攻略する可能性も十分にある。また、たとえ大谷が登板していなくても、“左の大谷、右の誠也”という左右両スラッガーのパワー競争は見ものになるでしょう」(福島氏)
この直接対決にはもう1つのポイントがある。現在、メジャーではホームランを打ったバッターがベンチに帰った際に被り物をする儀式“ダッグアウトセレブレーション”が流行中だ。エンゼルスは「戦国武将の兜」を、鈴木はカブス傘下3Aアイオワの試合で「白い工事用ヘルメット」を被っている。
「カブスの入団会見でジョークを飛ばすなど茶目っ気たっぷりの誠也だけに、大谷との一戦では新たな被り物を用意してファンを驚かせようとするのではないでしょうか」(福島氏)
同級生の“被り物対決”の勝敗やいかに。
※週刊ポスト2023年5月5・12日号