エンゼルス・大谷翔平(28)が投打で存在感を見せ、快進撃を続けている。FAとなる今オフには、総額800億円とも1000億円ともいわれる契約を結ぶと囁かれる。メッツ、ドジャース、ヤンキースなどメジャーの名門球団が獲得に乗り出すとも報じられており、二刀流の選手として立場を確立している。
野球ファンのみならず、同じ選手やOBからも称賛の声が送られているが、日本プロ野球史上唯一の400勝投手の“カネやん”こと金田正一さんも、大谷の能力を高く評価していた。金田さんは大谷がエンゼルスに移籍して2年目の2019年10月に亡くなった。メジャー1年目の大谷は野手として打率.285、22本塁打、61打点、10盗塁、投手として10試合に登板して4勝2敗、防御率3.31の成績を残し新人王を獲得したが、1年目のオフにトミー・ジョン手術を受けたことで、2年目は打者のみの出場にとどまっていた。
金田さんは大谷の二刀流に関して「(投手に)専念すれば毎年20勝するのに……」とする“投手派”だったが、その後、メジャーで二刀流として大活躍し、リーグMVPを獲得する姿を見ていたら、なんとコメントしただろうか。金田さんはピッチャーとして球史に残る金字塔の記録を打ち立てた一方で、投手としての本塁打記録(38本。うち代打本塁打2本)も保持していた“日本球界の元祖・二刀流”とも言える選手だった。
そんな2人が直接対談する機会を持ったのは、大谷が日本ハム入団3年目の春季キャンプでのことだ。その模様は本誌・週刊ポスト2015年3月13日号に掲載されたが、未掲載分も含めて当時の対談内容を掘り起こすと、改めて金田さんが投手・大谷に大きな期待を寄せいていたことがわかり、大谷が二刀流に強い思いを抱いていたことも窺える。