テレビの影響力が落ちたと3いわれる昨今だが、一昔前は「メディアの王」として絶大な力を持っていた。その黄金期を支えたのが、女性アナウンサーたちだ。テレビの絶頂期を身をもって知るあの人気アナたちは、いまどこで何をしているのか。ここではフジテレビの人気アナたちの「今」を紹介しよう。
1980年代に多くの人気女性アナを輩出したフジテレビ。当時、絶大な人気を誇ったバラエティ番組『オレたちひょうきん族』は視聴率が30%に届かんとしていた。その伝説的番組の初代アナが山村美智氏(66)だ。1984年に同僚のプロデューサーと結婚、翌年退職してフリーに転身した。山村氏が語る。
「大学時代はミュージカル劇団に所属していて、女優になりたかったんです。でも、その道はフジに入社することを決めた時点で諦めた。ですが、歌番組に駆り出されたり、ドラマに出演したりするうちに燻っていた女優への夢が再燃しました」
「柔軟に何でもやるのがモットー」と語る山村氏は新しい挑戦をしていた。
「この6月にはシャンソンの発表会があります。昨年から友人のシャンソン歌手に手ほどきを受けていまして。また昨年、趣味の絵を展示会に2回も出展させてもらいました。最近はSNSのTikTokでも配信しています」(山村氏)
同じく“ひょうきんアナ”の寺田理恵子氏(61)は2000年の再婚を機に退職したものの、フリーアナの生島ヒロシからの誘いで仕事復帰した。
「復帰後はアナウンサーの経験を生かして朗読教室の講師や執筆活動をしています。社会人になって大学で心理学とワークショップデザインを学んだのですが、その経験が朗読会に生きている。認知症サポーターや健康マスター普及認定講師などの資格も取得しました」(寺田氏)
『FNNスピーク』で人気を得た近藤サト氏(54)は1998年に退社。その後は事務所に所属せずに活動していたが、“フリーの洗礼”を受けたと近藤氏は語る。
「妊娠を機にレギュラー番組がなくなりました。フリーランスの世界は群雄割拠ですから。手に職をつけるため、事務所に入ってナレーターとしての活動を開始。本格的に活動し始めたのは、子供が小学校に上がる15年ほど前からです。
一時、私の“グレイヘア”が話題になりましたが、実は適当になんとなくやったら周りが騒ぎ始めただけなんです(笑)」
※週刊ポスト2023年5月5・12日号