芸能

図鑑『はじめての絵画』で学ぶアートの楽しみ 名画に隠された有名な画家たちの姿

世界で最も有名なモナリザ

世界で最も有名なモナ・リザの絵 レオナルド・ダ・ヴィンチ モナ・リザ 1503~1505年頃 油彩 板 79.4×53.4cm ルーヴル美術館 パリ

 アートをテーマにした図鑑が大ヒットを記録し、話題になっている。誰しも一度は見たことがあるような有名絵画が面白い切り口で解説されている『小学館の図鑑NEOアート 図解 はじめての絵画』は、発売から1か月で3回の重版、累計発行部数は20万部に到達。子供だけでなく大人の間でも「こういう本がほしかった!」という声が寄せられている。そんな同書の内容を少しだけ紹介しよう、

モナ・リザってどこがすごいの?

 世界で最も有名な絵画『モナ・リザ』。しかし「『モナ・リザ』の何がすごいの?」と聞かれると、何と答えればいいのか……。この絵が描かれた時代背景や、絵に描かれた要素から、そのすごさをひもといてみよう。

 『モナ・リザ』が描かれた時代、人物画には2パターンあった。ひとつは信仰のために、聖母マリアやキリストなどキリスト教の重要人物が描かれる場合。もうひとつは貴族が地位の高さや豊かさを他人に誇る場合。どちらも表情は硬く、心の動きを読むことはできない。

 一方『モナ・リザ』のモデルは誰だかわからない女性。しかしその顔は、聖母とも貴族ともまったく異なる曖昧な表情で、人の自然な心の動きを感じることができる。

・同時期の貴族の絵と比べてみると…

 アンブロージオ・デ・プレディスの『ビアンカ・マリア・スフォルツァ』に描かれているのはイタリアの貴族の女性。ドレスや宝石など装飾品は細かく描かれているが、無表情な横顔で人物の感情はわからない。

・「自然の法則」を描いているところもすごい!

『人体均衡図(ウィトルウィウス的人体)』

レオナルド・ダ・ヴィンチ 人体均衡図(ウィトルウィウス的人体) 1490年頃 水彩 メタルポイント ペン インク 紙 34.3×24.5cm アカデミア美術館 ヴェネツィア

 人と、自然を含めた世界そのものが、同じ法則で成り立っているというダ・ヴィンチの考えを表したスケッチが『人体均衡図(ウィトルウィウス的人体)』。『モナ・リザ』では人物そのものも、法則に基づき色彩を途切れることなく変化させて描いている。

流れる水の研究

レオナルド・ダ・ヴィンチ  流れる水の研究 1509~1511年頃  ペン インク 紙 29×20.2cm ウィンザー城王室図書館

 ダ・ヴィンチは水の流れを観察・研究することで「自然は途切れることなく変化し続ける」という法則を発見した。『モナ・リザ』の背景をよく見ると、この法則に基づいた水が風景として描かれている。

画家はどこにいる?

『アテネの学堂』は、画家が大昔の出来事や物語の場面を想像して描いたもの。だが、絵の中に実は画家自身の姿も描かれている。

ラファエロ アテネの学堂

ラファエロ アテネの学堂 1509~1510年 フレスコ 壁画 幅770cm ヴァティカン宮署名の間

 この絵はイタリアの画家・ラファエロが2000年以上前のアテネを想像し描いたもので、その頃の優れた学者や芸術家が60人以上描かれている。さらにラファエロ自身のことをギリシャの有名な画家として端の方に描いている。

 ラファエロと同じ時代に生きた2人の芸術家も絵の中に。ミケランジェロは画面中央手前、ダ・ヴィンチはその右上に、それぞれギリシャの哲学者として描かれている。

・こんな作品もあるんです!

『十字架降下』

ポントルモ 十字架降下 1525~1528年 油彩 板 313×192cm サンタ・フェリチタ聖堂 フィレンツェ

 磔にされた十字架から、キリストが降ろされている場面を描いた『十字架降下』。画家のポントルモは、自分の姿を右端の影の中に描き、キリストと周りの人々の明るくまばゆい色彩を強調した。

ボントルモ

ボントルモ 十字架降下 1525~1528年 油彩 板 315×192cm サンタ・フェリチタ聖堂 フィレンツェ

※女性セブン2023年5月11・18日号

トピックス

現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン