一昔前は「メディアの王」として絶大な力を持っていたテレビ局。その黄金期を支えたのが女性アナウンサーたちだ。さまざまなきっかけでテレビ局を退社し、新たな道に進んでいく彼女たちは今、どこで何をしているのか。ここでは日本テレビの人気アナたちの「今」を紹介する。
日本テレビのアイドルアナユニット『DORA』の一員として一世を風靡したのが永井美奈子氏(57)だ。元祖アイドルアナと呼ばれ多忙を極めたが、1996年に退社してフリーとなった。
「正直、少し休みたいという気持ちもありましたね。“ラジオのお仕事をしてみたい”“充電する時間がほしい”という思いから、もともと大好きなラジオの仕事を始めたり、英語学校に通ったりしました」(永井氏)
充実した日々を送るなか、激動の年を迎える。
「大学院の受験準備をしていた時に夫と出会い、2001年の元日に結婚しました。4月には大学院に入学し、10月には出産。テレビの仕事をすべて辞めましたし、大学院の授業は赤ちゃんにミルクをあげながらでした」(同前)
現在は非常勤講師として成城大学で教鞭を執りながら、クラシック音楽フェスのプロデュース、アナウンサー養成スクール・日テレ学院の講師に従事し、「気がつけば周りは20代、みんなのお母さんみたい」と笑う。
アイスダンスの競技で長野オリンピックに出場した河合彩氏(48)は1999年に入社して昼の情報番組『峰竜太のホンの昼メシ前』などを担当。2002年に退社するとフィギュアの世界に舞い戻った。
「当時はいまほどフィギュア人気が高くなく、食べていけなかった。選択肢は自然と一般企業になり、私はITベンチャーに就職。2010年に独立して、今はご縁あってフィギュアのインストラクターや解説者の仕事をさせてもらっています」(河合氏)
同局のスポーツ番組『独占!!スポーツ情報』で活躍した関谷亜矢子氏(58)も2000年に退社後はテレビ中心の生活ではなかった。
「結婚を機に退社してフリーに。テレビの仕事もありましたが、現在は森永乳業のPR誌でインタビューの仕事をしており、『ワインエキスパート』『チーズプロフェッショナル』の資格も取りました」(関谷氏)
いまでは「ジャパンチーズアワード」の審査員もしているという。
※週刊ポスト2023年5月5・12日号