芸能

アイドルアナの草分け・山村美智が語る退社後の人生「いまは女優とシャンソン、時々TikTok」

フジテレビアナウンサーだった山村美智氏が語る

フジテレビアナウンサーだった山村美智氏が語る

 大学時代の夢であった女優の道を諦めて進んだのはフジテレビ。バラエティ番組『オレたちひょうきん族』で初代ひょうきんアナを務めた山村美智さん(66)は後に「アイドルアナの草分け的存在」と称された。伝説の人気アナは1985年に退社した後、どんな人生を送っているのか。山村さんが振り返った。
 
 * * *
 退社後、フリーアナウンサーとしての仕事が多かったんですけど、司会よりも女優をやろうと思って会社を辞めたので女優業を優先しようと思っていました。司会の仕事はもうしないと、そう決めた時期もありました。

「女優をしたい」という思いがあったのは、大学時代に劇団の『東京キッドブラザース』に所属して女優をしていたからです。フジに入社した時はもうきっぱり諦めて入社したのですが、『オレたちひょうきん族』に出演すると色んな番組に駆り出されまして……。その中にドラマもあったんです。中村雅俊さん主演の『おまかせください、オレの女房どの』(1983年、フジテレビ系)で会社員なのにドラマに出演しました。そこで自分の中に封印した女優魂に火がついてやっぱり演技をしたいと思ったし、アナウンサーとしての仕事は何もかもすべてやったという達成感があったので退社という選択肢を考えました。

 当時は今みたいにバラエティと報道が分かれてなくて、選挙特番もやるし『夜のヒットスタジオ』にも出たりとか、色んなことをやらなければいけなかった。1983年にはレコードデビューもしましたから(笑)。それで肉体的にヘトヘトになっていたし、精神的にもボロボロになっていた。けれど、ドラマで演技して「ああ、なんか自分は解放される」と改めて感じたんです。それで私は女優になると決心して、退社しました。

 退社してからは基本的に仕事ができなかったです。というのも、今では「フリーアナになります」とおおっぴらに言えるようになりましたが、その頃は言えなかった。これからは主婦業に専念しますとごまかすような感じです。フリーになって1年ぐらいした頃から活動し始めて、フジテレビの夜のニュース番組に起用してもらい、ドラマ『アナウンサーぷっつん物語』(1987年、フジテレビ)という月9作品にも出演できました。
 
 以降はドラマに出るようにはなってきましたけど、TBS が多かったですね。TBS のお昼のドラマや、ドラマ『徹底的に愛は…』(1993年)に出演しました。NHKでは大河ドラマとか。そのうちにドラマの制作現場に行くと、衣装さんに「山村さんてフジテレビのアナウンサーだったんですって?」と言われることも。芸術座の舞台に立ったり、少年隊のミュージカルに出たり。前田美波里さんとタップダンスのミュージカルで踊ったこともあります。

 そうした中で、映画で共演した女優さんから「一緒に芝居をやりましょうよ」と誘われたんです。彼女が脚本を書いて私が演出をしてということだったんですけども、少し舞台には難しい部分があったので私が新たに脚本を書いて、彼女と私の 2人芝居にしました。その舞台『私とわたしとあなたと私』を2002 年に公演したら好評で、翌年には再演しました。

 その直後、私は夫の赴任で渡米しニューヨークへ。現地に在住する日本人の奥様たちがその舞台をニューヨークで見たいと言ってくださって。やっぱり英語でやるべきだろうと思い、現地のプロダクションに持ち込み、脚本家に入ってもらい、リーディングできるまでに1年半ぐらい、そこから本番までも1年以上かかりました。完成した公演にはニューヨークのアメリカ人がたくさん見に来てくださいました。

関連キーワード

関連記事

トピックス

悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
3月末でNHKを退社し、フリーとなった中川安奈アナ(インスタグラムより)
《“元カレ写真並べる”が注目》元NHK中川安奈アナ、“送別会なし”に「NHK冷たい」の声も それでもNHKの判断が「賢明」と言えるテレビ業界のリスク事情
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン