テレビ局を退社する女性アナウンサーのセカンドキャリアとしては、“フリーアナ”になるケースが圧倒的に多い。テレビ朝日では2019年に『報道ステーション』の小川彩佳氏(38)、『ミュージックステーション』でサブ司会をつとめた竹内由恵氏(37)、『羽鳥慎一モーニングショー』で活躍した宇賀なつみ氏(36)の3名が局から離れたが、いずれもフリーアナウンサーとして活躍している。しかし、一方で、まったく異なる道に進む“元人気アナ”もいる。テレビ朝日の元人気アナウンサーたちの「今」を紹介しよう。
2011年にテレ朝の看板番組『報道ステーション』に起用された青山愛氏(34)は将来を嘱望されたアナだった。しかし2017年に退社して渡米。ジョージタウン外交大学院に進み、卒業した後、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に進んだ。青山氏が語る。
「現在はUNHCRのウクライナ報告担当官として緊急人道支援に当たっています。東京五輪パラリンピックでは、難民選手団のサポートを務めました。日本にいた時には感じられなかった現場の空気を感じられるのが刺激的です」
元テレ朝アナで都議会議員として奮闘中なのが、龍円愛梨氏(46)だ。2011年末に退職して渡米し、ダウン症の子供を出産した。
「米国では行政のケースワーカーが医療・福祉・教育と連携しながら支援してくれるので、子供と暮らしていて不便がなかった。シングルになって帰国してみると、日本の子供を取り巻く環境が世界から数十年も遅れていると感じました」(龍円氏)
東京から日本を変えたいとの思いで、2017年の都議選に都民ファーストの会から出馬。障がいのある子供も遊べる国内初の「インクルーシブ公園」を都立公園で実現した。
テレ朝アナから異色の転身をしたのが「歌って踊れるエンターテイナー」と自身を称する野崎由美子氏だ。1986年の退社後はテレビ朝日アスク(アナウンススクール)の話し方教室講師、国連機関の職員をしているが、本人いわく本業は「シャンソン歌手」だそうだ。
「訳詞家の叔母がシャンソンのライブハウスをオープンした時に、前座を務めたのがきっかけです。緊張して手が震え、何を歌ったのか覚えていません。それがショックで本格的にレッスンに通いはじめ、1997年からプロとして定期的にステージに立っています」(野崎氏)