この4月1日から自転車走行時のヘルメット着用が“努力義務化”されるなど、自転車ルールに対する取り締まりが年々強化されている。昨年10月以降は自転車走行時の悪質な違反に「赤切符」が切られるようになり、起訴されれば懲役や罰金刑、前科がつく場合もある。つまり、それだけ自転車が原因となる重大な事故が起こりやすいということだ。そんななかで、注目があるまるのは自転車に対する保険だ。
かつては「自転車に乗るためにわざわざ保険に入るなんて」と思う人が大半だった。その流れが変わったのが2015年、兵庫県が加入義務を条例化してからだ。以来、自転車保険加入の動きが全国に広がった。その背景には、自転車事故を起こした少年の親に1億円近い賠償責任を認めた判決が出るなど、自転車事故でも高額賠償を命じるケースが相次いだことがある。
自転車保険に加入するにはどうしたらいいのか?
すぐ入るならコンビニ! 別の保険で安くする技も
自転車保険は、自転車運転中の自分のけがに備える「傷害保険」と、相手への損害賠償に備える「個人賠償責任保険」がセットになっている。
加入窓口は、コンビニエンスストア、インターネット、町の自転車販売店、保険代理店の4つ。コンビニの場合、店頭のマルチコピー機を操作すればすぐに加入できる。
プランは1人用・夫婦用・家族用から選べ、保険料も年3000円台からある。自転車活用推進研究会理事長の小林成基さんが解説する。
「自転車保険を選ぶ際、【1】相手への補償額は充分か、【2】自分のけががどこまで補償されるか、【3】示談交渉サービスの有無、【4】加入する別の保険と重複しないか、などを事前確認するとよいでしょう。すでに加入している自動車保険などがあれば、これにオプションで個人賠償保険をつけ、備える方法もあります」(小林さん・以下同)
この方法なら、保険料は約3分の1に抑えられる。
「いずれの方法にせよ、被害者に損害を賠償する機能が重要なので、補償額1億円以上は備えた方がいい。また、示談交渉サービス付きを選ばないと、過失割合などを相手と直接争わなければならず、非常に厄介です」
こうした違いをしっかり把握して選ぼう。
取材・文/北武司
※女性セブン2023年5月11・18日号