芸能

《カリオストロの城》クラリス役の声優・島本須美が振り返る収録現場「何度も録り直したあの名シーン」「宮崎駿監督との出会い」

『カリ城』出演当時、島本さんは24歳でデビュー1年目だった(本人提供)

『カリ城』出演当時、島本さんは24歳でデビュー1年目だった(本人提供)

 映画『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年公開)が、5月5日21時より『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で放送される。同映画は、『ルパン三世』劇場映画第2作にあたり、宮崎駿監督が初めて手がけた長編アニメーションでもある。封切りから40年以上経つ今も幅広い世代から愛され続けている作品だ。ヒロインの囚われの姫・クラリス役の声優に抜擢された島本須美さん(68)は、公開当時まだ駆け出しの舞台役者だった。その後も『風の谷のナウシカ』のナウシカ役などに起用された彼女は、NEWSポストセブンのインタビュー取材に「宮崎監督と出会わなければ、今の私はいませんでした」と回想する。【前後編の前編】

アフレコは1日で終わった

──『ルパン三世 カリオストロの城』は今回で18回目のテレビ放送となります。

 観ちゃいますね。最初はなんとなーくのつもりでも、気づいたらしっかり観ちゃう。昔は「ここの演技、もう少しなんとかできたんじゃない?」なんて自分で落ち込むところもありましたが、最近はもう純粋に楽しんでいます。110分のうちにいろんな要素がギュッと凝縮されて、出演者というひいき目を抜きにしても素晴らしい作品で大好きです。

──出演当時、島本さんは24歳でデビュー1年目でした。ルパン三世役の声優を務めた山田康雄さんを始めとしたベテラン声優の方々とのアフレコは相当な緊張感が漂っていたと思います。

 朝から夜までの1日で録りましたが、もう現場の空気が出来上がっているところに突然ポンと入るわけですから、『ルパン三世』に限らず、シリーズものの作品にゲストで参加するのは大変です。周りを見る余裕がありませんでした。そして案の定、大失敗をしてしまったんです。今は事前にDVDなどが送られてきますが、当時はみんなで初めての通し見(アフレコで、映像を見ながら台本と照らし合わせて全体像を掴むこと)をしていました。

 そのタイミングで、「ロール分け」といって映像を分割して「ここからここまでが“1番”です。1番に出演する人は、この人たちです。それ以外の人は待っていてください」みたいな流れになるんですけど、私はまだ出番じゃないと思ってお昼ご飯を食べていたら、「島本さん出番ですよ!」って呼び戻されて……。もうあたふたして、心臓がキューとなりました。ふてぶてしい新人ですよね(笑)。そんな中で「もし! もし!」のところを演じました。

関連キーワード

関連記事

トピックス

過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン