WBCの盛り上がりによってエンゼルス・大谷翔平(28)だけでなく、米国で活躍する“侍メジャーリーガー”にも熱い視線が注がれている。大会ではチームメイトとしてともに戦った“仲間”を大谷はどう抑え、どう打ち崩すのか──。その見どころを解説しよう。
WBCで共闘した大谷とカージナルスのラーズ・ヌートバー(25)が、5月3日(日本時間・以下同)からの3連戦で熱い戦いを繰り広げた。メジャーリーグ評論家の福島良一氏が語る。
「WBCでは“ヌー谷”との言葉が生まれるほど2人の関係がピックアップされました。5月4日には投手・大谷VSヌートバーの初めての対決が実現し、大谷がヌートバーを3打席連続三振に切って取るなど球場が大いに盛り上がりました」
注目の初対決が実現したのは、今季からインターリーグ(交流戦)が増えて、全30球団が対決する日程に変わった影響が大きい。
「この変更により、これまで対戦のなかった別リーグのチームとも最低3試合は戦うことになり、日本人選手全員が直接対決する可能性が高まりました。特に二刀流の大谷はほぼ全試合に出場するため、投打で侍メジャーリーガーと対戦する機会が増えそうです」(福島氏)
大谷はすでにブルージェイズの菊池雄星(31)やアスレチックスの藤浪晋太郎(29)、レッドソックスの吉田正尚(29)らと対戦しているが、5月23~25日には早くも吉田との再戦が控える。
「4月のメジャー初対戦では雨天中断もあり、1打席のみの対決で大谷が吉田から三振を奪った。NPB時代も吉田は大谷から3打席ノーヒットでしたが、最近の吉田は日本人初の1イニング2本塁打を放つなど調子を上げています。大谷が吉田の勢いを止め、メジャーの先輩としての貫録を見せられるかどうか」(同前)
カブスの鈴木誠也(28)との対戦も見逃せない。同い年の2人は「94年組」として深い交流があることで知られる。スポーツ紙デスクが語る。
「2016年の侍ジャパン強化試合をきっかけに関係が深まり、水泳選手の萩野公介(28)と瀬戸大也(28)と4人で『同学年食事会』を開いたこともある。プロ入り後、誠也は大谷に大きく水をあけられた時期もあったが、精進を重ねてメジャーで対戦するまでに成長した。私生活ではLINEで連絡を取り合うほど仲が良いが、プロとして互いに意識する存在であることは間違いない」