巨人が「魔の8回」に悩まされている──。5月は6試合全て8回に失点。中日3連戦では3戦とも8回に勝ち越しを許して、同一カード3連敗を喫した。5日は国学院大学からドラフト3位で入団したルーキーの田中千晴、6日はDeNAから移籍した三上朋也、7日は高卒5年目の直江大輔が自責点を許した。
「田中や直江は明らかに疲れが出ています。ここまで31試合で田中は12試合、直江は14試合に登板している。まだ5月上旬ですよ。7日の中日戦では、直江は9番の石垣雅海、1番の岡林勇希に明らかにボールとわかる球を投げて連続四球を与え、降板しています」(プロ野球担当記者。以下同)
田中も直江も初登板から7試合連続無失点に抑え、試合の終盤を任せられる存在になっていた。4月の防御率は田中0.00、直江0.82と安定感があった。しかし、田中は5月2日のヤクルト戦で初失点すると、4日のヤクルト戦でも点を奪われ、6日の中日戦では大量5失点。防御率6.97まで悪化して二軍落ちとなった。直江も5月の4登板のうち2登板で自責点がつき、防御率は3.38まで上がった(記録は5月7日現在。以下同)。
「原監督は有望なピッチャーだと目をつけると、ずっと同じ投手を使う傾向がある。すると、相手に研究されるし、疲れも溜まる。結局、打たれてファームに落ちて、自信を失ってしまうケースは少なくない。せっかく自信が付いてきたのに、登板過多で芽を摘んでしまうんです。
大事に使われていれば、田中も直江も少なくとも1か月足らずの活躍では終わらなかったのではないでしょうか。1994年、長嶋茂雄監督が来る日も来る日も岡田展和を中継ぎで投入して、徐々に打たれるようになった例がありました。時代は流れ、中継ぎの起用法も随分変わったのに、あの頃を思い出すような起用法が続いています」