WBCの盛り上がりによってエンゼルス・大谷翔平(28)だけでなく、米国で活躍する“侍メジャーリーガー”にも熱い視線が注がれている。大会ではチームメイトとしてともに戦った“仲間”を大谷はどう抑え、どう打ち崩すのか──。その見どころを解説しよう。
ダルは全部真っすぐ!?
投手だけでなく打者・大谷と日本人投手の対戦も目が離せない。大谷は花巻東の先輩・菊池雄星(31)と4月10日に対戦し、左中間最深部に突き刺す特大の2ランを放ったが、7月末にも3連戦が予定されている。
「今季の対戦時、練習中にグラウンドで顔を合わせた2人は20分以上も立ち話をしていました。試合前の調整を重視する大谷が長時間、誰かと談笑するのは珍しく、菊池が特別な存在であることが窺えました」(スポーツ紙デスク)
NPB時代の対戦成績は、5打数2安打の打率.400、メジャーでは20打数6安打の打率.300と菊池の分が悪い。
「NPB時代には大谷に対して菊池が、『オレのボールなんてイージーだと思っているんだろ?』と東北訛りで問い詰め、大谷が『そんなことねえっすよ』とやり返すシーンがありました。過去の対戦は大谷が優位ですが、今年の菊池は開幕から無傷の4連勝を記録するなど絶好調。そんな先輩から後輩がまたもホームランをかっ飛ばせるのか注目したい」(同前)
8月末からのメッツとの3連戦も興味深いカードだ。今年メジャーデビューした千賀滉大(30)が所属しているが、1試合平均の奪三振率は11.08(5月2日時点、以下同)で、大谷の12.18に匹敵する。メジャーリーグ評論家の福島良一氏が語る。
「NPB時代もクライマックスシリーズなど重要な試合で投げ合っているが、メジャーでも屈指の奪三振率を誇る2人の投げ合いは刺激的です。また打者・大谷が千賀の“お化けフォーク”をどう打ち崩すかにも注目が集まります」
シーズン終盤の9月には、中継ぎに転向した藤浪晋太郎との再対決や現在は故障者リスト入りしているツインズの前田健太(35)との対戦も控えている。
そして最大の注目カードとなるのが、7月4日からのパドレスとの3連戦だ。WBCでともに戦ったダルビッシュ有(36)との初対決が待っている。
「高校時代の大谷がメジャーを夢見たのは、地元・東北の高校出身で野球の本場で活躍するダルビッシュの姿に憧れたことが大きい。卒業前のレンジャーズとの交渉時はダルビッシュのサインボールを手渡され、日本ハム入団時はダルビッシュの背番号11を受け継いだ。今年のWBCでは両エースとして活躍するなど、2人は何かと縁があります。これまで近くにいながら交わらなかった大谷とダルビッシュがついにグラウンドで雌雄を決するだけにマスコミも今から注視している」(スポーツジャーナリスト)