NHK大河ドラマ『どうする家康』は、主人公・徳川家康(松本潤・39)が「人生最大の危機」と言われる三方原の戦いを迎えている。対するは、“戦国最強”と謳われた武田軍。武田信玄を演じる阿部寛(58)をはじめベテランの役者たちが居並ぶなか、若々しくも力強い演技で光るのが、息子の武田勝頼を演じる眞栄田郷敦(23)だ。
眞栄田といえば、父は名優・千葉真一さん(2021年没)、兄は俳優の新田真剣佑(26)である。ドラマウォッチャーは父子の“縁”を指摘する。
「2007年放送の大河ドラマ『風林火山』で千葉さんは武田四天王と言われる側近の板垣信方を演じていた。つまり、10数年の時を超えて父子で『武田軍入り』したことになる。放送当時、郷敦さんは7歳で千葉さんとロスに住んでいた頃。テレビで観ていたはずですから、意識しないわけはない」
眞栄田の演技には、亡父の影響が見て取れると、芸能関係者は言う。
「最初は郷敦さんの芸能界入りに反対していた千葉さんですが、俳優デビュー以降は熱心に演技指導するように。郷敦さんは、千葉さんが本読みを手伝ってくれたことや、稽古場で動きの指導をしてくれたことをインタビューで明かしています。
千葉さんといえば強烈な目力が印象的ですが、眞栄田さんも同じく目力が強く、目や眉など、表情筋を使って迫力ある演技をする。今回の勝頼役ではそれが生きています。
また、郷敦さんにとっては今回が初の時代劇挑戦。父親が『柳生一族の陰謀』や『魔界転生』などの代表作を遺したジャンルですから、気合いの入りようが違います」
その眞栄田は、1月22日、兄の真剣佑と同時にダブル結婚を発表したばかり。その発表当日は千葉真一さんの誕生日だった。真剣佑と郷敦は互いのパートナーとも相談したうえで、千葉さんの誕生日に発表できるようタイミングを調整してきたという。それだけ、父に対するリスペクトは深い。
一方、生前の千葉さんは2人によく「二世俳優と呼ばれても、ニセ俳優にはなるな。おれを超えろ!」と語りかけていたという。
勝頼は、父・信玄亡き後、壮絶な最期を迎える。実の父の三回忌を前に、眞栄田はどのような演技を天国に届けるのか。
※週刊ポスト2023年5月26日号