世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は5月7日、教団本部がある韓国の教団施設「清心平和ワールドセンター」で「合同結婚式」を開催した。日本では安倍晋三元首相の銃撃事件を機に、政治家とのつながり問題など旧統一教会への批判が強まるなかで、3年ぶりに堂々の大規模開催となった。
教団によると、世界56か国から約2600人が参加し、日本人は韓国の会場で554人、日本のオンライン会場で439人の計993人が参加したという。ソウル中心部から約50キロ離れた京畿道加平の教団施設には、大型バスや車が大挙した。
日本からも旧統一教会問題を取材するジャーナリストはじめ多くのメディアが駆けつけたが、会場の外ではそうした日本メディアに対して、教団側が厳戒態勢で対応していたという。
韓国で旧統一教会問題を取材する在ソウルジャーナリストの柳錫氏は、会場にいた教団関係者に当日の状況を訊いた。
「今回の合同結婚式では非公式に会場に入ったメディアや外部からの撮影者を探し出すための警戒や警備については、他のどの行事よりも高い強度で行なわれていたそうです。
日本での安倍晋三元首相の銃撃事件や、岸田文雄首相の襲撃事件などが起きた社会的雰囲気に加えて、なにより山上徹也被告が『韓鶴子総裁に対して火炎瓶テロを計画していた』という報道は、旧統一教会幹部や韓総裁自身にとって大きな衝撃でした。旧統一教会の歴史から、信者が教祖夫妻にテロを加えるということは夢にもあり得ないことだったが、今ではいつどこで誰がテロを仕掛けるかわからないという恐れを教団幹部や韓総裁自身が持つようになったということの現れでしょう。
事前に教団幹部やスタッフだけに配られた日程表のパンフレットがありますが、そこには爆発物の探知犬の写真が掲載されており、一連の行事に探知犬を用意しているというアピールもされていました」(柳錫氏)