香港在住の男性が今年4月、母親の死後すぐに、結婚後も別居を続けている中国大陸に住む妻から「(夫の)母親の遺産2000万香港ドル(約3億5000万円)の3分の2である1333万香港ドル(約2億3000万円)を渡さないと離婚する」と脅迫めいた「通告」を受けたことをネット上で暴露。男性が「これ以上、妻のATM(現金自動預け払い機)にはなりたくない」として離婚を決意し、ネット上では話題になっている。
香港では一般的に男性は結婚難で、ビジネスなどで中国大陸を訪問した際、現地の女性と親しくなり、結婚するケースが多い。しかし、その後、時間が経つと、あからさまに金銭などを要求されることもあり、さまざまなトラブル例が公表されている。
この男性が4月17日にオンラインフォーラム「香港討論區(discuss.com.hk)」に投稿した内容によると、男性は5年前に中国本土で結婚した妻から、最近亡くなった母親が残した遺産を3等分し、自分と姉に分けるよう要求されたという。
彼女の言い分は、その遺産を2人の子供の教育費と、現在の公営住宅の賃貸物件よりも大きなマンションに引っ越す費用に充てるというもので、妻は夫に「協力を拒むなら離婚して自分の取り分を奪う」と宣言したという。
しかし、彼は結婚する際、彼女の実家に結納金として12万8000元(約250万円)を渡したほか、中国本土にある彼女の実家の購入資金の頭金として数万元も負担。さらに、結婚してからは、給料のほとんどを妻に渡し、自分は毎月1500香港ドル(約2万6000円)でやりくりする窮乏生活を送ってきた。
彼は妻に献身的な姿勢を続けていたのに、母が亡くなった直後に、その遺産を要求してきたことで愛想をつかしたという。男性は「もう妻のATMにはなりたくないので、離婚することにした」との決意の言葉を残している。
香港では大陸妻との金銭トラブルが数多く報告されている。香港の人生相談サイト『ライフ・コンサルティング』には、「結婚したとたんに、大陸の妻の実家の人々が香港の夫の自宅に押し寄せて、居ついてしまった」とか、今回のケースのように「夫は仕事で香港を離れられないが、妻も大陸の実家にいて、生活費や教育費など以外にも折あるごとに金銭を要求されて困っている」などの相談の声が寄せられているという。