巨人の補強は終わらない。次の電撃トレードは誰になるのか──。5月17日、巨人の廣岡大志内野手(26)とオリックスの鈴木康平投手(29)の交換トレードが成立したと両球団から発表された。今季、廣岡は4月29日に一軍登録され、5月2日のヤクルト戦からは「1番・セカンド」で5試合連続先発出場。5日の中日戦では左腕の小笠原慎之介から先頭打者ホームランを放った。しかし、14日に登録抹消に。今季は一軍で打率2割1分4厘、1本塁打、2打点だった。鈴木は一軍での登板はなかった。
巨人は今季、得点は142でリーグトップタイだが、失点は165でリーグワースト(記録は5月16日現在。以下同)。投手陣の強化が急務とされていた。
「今は首位・阪神に5.5ゲーム差つけられての5位ですが、投手力をアップさせれば、まだまだ優勝を狙える。それほど野手陣は充実してきており、若手も伸びています。3年目で一塁と外野を守れる秋広優人の成長が著しく、一塁以外の内野をこなしているルーキーの門脇誠も再三にわたって好守備を見せている。
廣岡は内野の全ポジションを守れますが、守備に安定感があるとは言い難い。外野もできますが、秋広やオコエ瑠偉の台頭、ウォーカー、ブリンソンの両外国人、梶谷隆幸の復帰で、一昨年のレギュラーである松原聖弥も二軍に甘んじている。廣岡は巨人にいても出番は減っていく。パ・リーグなら指名打者制度があるし、廣岡の将来を考えても、良いトレードでは」(プロ野球担当記者。以下同)
今季の巨人は5月2日から6試合連続で8回に失点して「魔の8回」が話題になるなどリリーフ不足が指摘されていた。それだけに、2021年には34試合に登板して防御率3.03をマークした鈴木康平獲得への期待は大きい。しかし、一人の加入で中継ぎ不足の解消とはいかないだろう。
「巨人は第2弾、第3弾のトレードを探っているでしょう。廣岡は2021年、現在ヤクルトの抑え投手を務めている田口麗斗との交換トレードで移籍してきた選手です。その意味では比較的、トレード対象になりやすかったと言えます。生え抜きのドラフト上位で20代中盤の選手を出すとなると、球団内に反対意見が出やすい。そのような事情や現状の戦力構造を踏まえると、27歳でロッテ出身の香月一也内野手、30歳で日本ハム出身の石川慎吾外野手あたりはトレード候補になるかもしれません。いずれも潜在能力を秘めていますが、今季まだ一軍での出番がありません」
通算成績を見ると、香月は109試合出場で打率1割8分0厘、4本塁打、13打点。石川は365試合出場で打率2割2分5厘、14本塁打、62打点。高い実績を誇るとは言えず、どの球団も欲する一軍の中継ぎ投手の交換要員として求められるかは微妙だ。