5月16日に「第32回日本映画批評家大賞」の授賞式が都内で行われた。『ヘルドッグス』で特別主演男優賞を獲得した岡田准一(42)は、「救われる思いがした」と感謝を述べつつ、「今日はもうひとつ“救い”がありました」と腕時計を披露。『大河への道』で主演男優賞になった中井貴一(61)から「君に渡したい。君の活躍や思いを受けて、託します」と贈られたものだと明かした。
中井が岡田にプレゼントした腕時計は、スイスの高級時計メーカー「ゼニス」のものだ。
「『ゼニス』は、1865年創業の老舗。落ち着いた大人の男性を中心に支持されるブランドで、ハリウッドの大物俳優ドルフ・ラングレンも愛用しています。
中井さんが岡田さんにプレゼントしたのは、同ブランドを代表する名機『エル・プリメロ』を搭載した『グランドクラス エル・プリメロ 500本限定モデル』でしょう。シンプルかつ高級感のあるデザインと高い機能性が魅力で、中古品でも100万円以上で取引されています」(ファッション誌編集者)
もともと中井は、この時計を故・高倉健さん(2014年逝去、83才没)から譲られた。中井にとって、高倉さんは“第2の父親”とも言える存在だった。
「実の父親である俳優・佐田啓二さんは、中井さんが2才のときに交通事故で亡くなってしまいました。父子の思い出をほとんど持たない中井さんは、『オヤジがこんな人だったらいいのにな』と高倉さんを慕い、公私にわたっていろいろ相談していたそうです。
中井さんが中国映画『ヘブン・アンド・アース 天地英雄』(2003年)で慣れない海外の現場が辛く、撮影を投げ出したくなったときも、高倉さんに『途中で帰ってくるのが一番ダサい』と電話で諭され、踏みとどまったというエピソードがあります」(芸能記者)
高倉さんは「ゼニス」のほかにフランスの高級時計メーカー「ブレゲ」の腕時計も中井に贈っている。
「高倉さんは大の時計好きで、共演者によく時計をプレゼントしていました。『ゼニス』も『ブレゲ』も中井さんが映画賞を獲ったときにお祝いで渡したものだと聞いています。
中井さんは過去にトーク番組で高倉さんから贈られた腕時計を披露した際、『これは(高倉さんから)預かったものだと思っている。僕が死ぬ前に必ず、この人だと感じる後輩に譲ります』と話していました。大事な腕時計を譲るにふさわしい相手として、岡田さんは『この人だ!』と見込まれたのでしょうね」(前出・芸能記者)
名優たちの思いが詰まった腕時計。残るもう1本は一体誰に託されるのか。