健康になりたい、環境保護の一助にしたい──そう思って選んだ食品によって、かえって体を害してしまう。そんな矛盾を断ち切るにはどうすればいいのか。
「食品表示を見るのはマスト。輸入作物や輸入食材が使用されているものは、特に気をつけてください。どの国でも自国内での安全基準は厳しく、輸出品には甘い。私は輸入品の場合、生産者の顔がちゃんと見えるものを購入するようにしています。その会社がどういうポリシーを持って作っているかは、インターネットでも調べられますから、口に入るものの情報は人に任せずに自分で調べましょう。
それは国産農作物でもまったく同じ。自分が住んでいる地域で信頼できる生産者さんが作ったものを食べること、それが安心安全の基本です」(堤さん)
小倉さんもこう注意を促す。
「フードテックというと、新しくてカッコいいし、最新技術が使われているのだろうと思って飛びつく人もいるでしょう。しかし、それはあくまでもテクノロジーの問題であって、安全を担保するものではない。しっかり区別して考える必要があります」
代替食品のすべてが危険であるということではなく、こだわりの原材料を使用し、添加物を含まないものももちろんある。「大豆ミートだからヘルシー」「脂質控え目だから体にいい」といった耳にやさしい言葉を鵜呑みにし、代替食品=すべてOKとするのではなく、しっかり自分の目で見て、考えて、選ぶことが何よりも大切なのだ。
※女性セブン2023年6月1日号