「人生100年時代」は、いかに「元気で長生きできるか」が焦点となる。「健康寿命」を左右する要素は数多くあるが、なかでも重要なのが「心臓」の健康だ。
健康維持に「100年もつ心臓=100年心臓」が大事になると説くのが、「血管の専門医」で『60歳を過ぎても血管年齢30歳の名医が教える「100年心臓」のつくり方』(東洋経済新報社)の著者・池谷敏郎医師(池谷医院院長)だ。
池谷医師が提唱する「100年心臓」を作るための具体的なメソッドを別掲図に示した。食事の方法や何気ない生活のなかにも、「心臓によいこと、悪いこと」が潜んでいる。
食生活では「よく噛む」「朝食は抜かない」など基本的な事柄から、心臓にいい食材の摂取の方法などが挙げられている。
「食べすぎずに肥満を防ぐ意識が大前提。基本は3食食べるなかで野菜を積極的に摂り、炭水化物を減らす食事です。その基本をクリアしたうえで、青魚のEPA・DHA、ストレスを軽減するGABAなどのスター成分やスーパーフードを取り入れてほしい」(以下、「 」のコメントは池谷医師)
目覚ましの音は大音量にしない、排便時にはいきみすぎないなど、朝起きてから寝るまでの心がけも重要だ。
「大音量の目覚ましは交感神経を一気に緊張させ、心拍数や血圧が急上昇します。同様に冬の朝風呂や夏の朝の冷たいシャワーによる寒冷刺激も血圧が急に上昇するので要注意。反対に、時間をかけてぬるめの湯船に入り、出る時もゆっくりと動作すると、血圧の乱高下を防ぐことができ、心臓に負担をかけずにすみます」
就寝時には、汗をよく吸い取り伸縮性のあるスポーツウェアを着ることで深部体温を下げ、熟睡しやすくなるという。