特徴的なハイトーンボイスは、替えのきかない唯一無二の歌声だった。彼がいなければ続けられないと、解散したこともあった。だが時の流れは、それぞれの距離感を大きく変えた。世界中のファンが見守るなか、新たに浮上したX JAPANの「新曲」問題──。
「8年ぶりとなるX JAPANの新曲『Angel』が7月28日にリリース」。声に力を込めた司会者の発表に、会場からは「おぉー!」という歓声とともに拍手が巻き起こった。だが、当事者である彼の表情は一瞬、口角を上げたものの、どこか浮かないように見えた。
5月16日、X JAPANのYOSHIKIが米ロサンゼルスのグラミー・ミュージアムで記者会見を開き、X JAPANとしてニューシングルをリリースすると発表。同バンドのシングル発売は、2015年11月の『BORN TO BE FREE』以来となる。
X JAPANは2018年9月に幕張メッセで開催したライブ以降バンドとして表立った活動はなく、YOSHIKIの電撃発表に「再始動か」との声も上がった。
だが、この新曲リリースはさまざまな問題をはらんでいた。再始動はおろか、空中分解を招きかねないリスクさえも──。
もっともこの新曲は、純粋な“新曲”ではないという。