臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)で見られた各国首脳の間で交わされた挨拶と手の位置について。
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ウクライナ人パイロットへのF16戦闘機の訓練がポーランドなどで始まった。厳重な警備の中、先日無事に終了した主要7カ国首脳会議・G7広島サミット。今回そこに参加したウクライナのゼレンスキー大統領に、米国のバイデン大統領が機体の供与とウクライナ人パイロットの訓練を容認したと発表してから、まだ数日しか経っていない。
今回のG7で最も注目されたのは、言うまでもなくウクライナのゼレンスキー大統領だ。討議に参加し、複数の首脳らとも相次ぎ会談。その動きが逐一メディアで報じられた。だが個人的に気になったのは、ゼレンスキー大統領と会った時のバイデン大統領の左手の動きだった。
5月21日、首脳らとゼレンスキー大統領との対面会談では、各国首脳が並んで写真撮影。ロシアにG7の首脳国とウクライナの揺るぎない結びつきを見せつけるためだと言われる。個別の撮影も行われ、バイデン大統領とゼレンスキー大統領が握手する写真も撮られた。この撮影終了後、2人は何やら話しながら部屋を出ていくのだが、この時、バイデン大統領の左手が動いた。ゼレンスキー大統領の背中に握手していた左手を回すと、その手が肩に、そして首根っこへと移動したのだ。
ボディ・ランゲージの専門家であるアラン・ピーズとバーバラ・ピーズはその著書『本音は顔に書いてある 〈言葉の嘘〉と〈しぐさの本音〉の見分け方』(主婦の友社)で、握手の際に添える手の位置が高くなるほど親密度が増し、気持ちの強さを表していると書いている。バイデン大統領はゼレンスキー大統領の左側に立っていたため左手で握手。その手がそのままゼレンスキー大統領の首元へと動いたのだが、手が置かれた位置は、まるでウクライナと米国の関係性を示唆しているように思えたのだ。