世界中のK-POP ファンを虜にした大型オーディション番組『BOYS PLANET』(Mnet)が、137日間という長い死闘を経て4月20日に終幕し、9人組の大型ボーイズグループ『ZEROBASEONE』(ゼロベースワン)が誕生した。BTS軍隊空白期に第5世代に突入したといわれるK-POP界のブロックバスターとなりうるか、デビュー決定のオーディション最終回の模様と新グループの魅力についてレポートする。
“ボイプラ”ロス続出 世界中のK – POP ファンを釘付けにしたオーディション番組『BOYS PLANET』とは?
2022年は、女性新人アイドルグループの台頭が目立った年だった。IVE(アイブ)、LE SSERAFIM(ルセラフィム)、NMIXX(エンミックス)、NewJeans(ニュージーンズ)、そして今回の『BOYS PLANET』と同系列のオーディション番組『Girls Planet 999:少女祭典』から誕生したKep1er(ケプラー)などのガールズグループが、今年も圧倒的な存在感を放っている。
そんな背景のもと行われたオーディションプログラム『BOYS PLANET』は、韓国、日本、中国、ベトナム、タイ、カナダをはじめ84地域の229社のアイドルマネジメント会社が手を挙げ、98人の練習生を送り込んだ。日本ではMnet JapanとABEMAで同時生中継され、世界各国のプラットフォームを通じて配信された。
これまで数々の人気オーディション番組を放送してきたMnetが手掛けているだけあって、勝ち上がっていく練習生たちのことを「生存者」と呼び、過酷で残酷なシーンも多く、それがある種の中毒性を持ち番組人気の要因となった。デビューメンバーを決めるのは、“スタークリエイター”と呼ばれる全世界のファンたちで、スマートフォンの専用アプリによる投票によってデビューへと勝ち上がっていくシステムだ。練練習生の中にはPENTAGONのフイ、Ciipherのケイタといったすでにアイドルとして活躍している者や、オーディション番組出身者も数多く見られた。
放送最終回に向けてソウルの街も盛り上がる
放送が最終回を迎える頃には、世界中のスタークリエイターたちもさらにヒートアップし、韓国国内の地下鉄駅構内などの主要スポットや米国ニューヨークタイムズスクエアの屋外電光板には、練習生達を応援する広告が流れ続けた。若者が集まる街・弘大入口(ホンデイック)駅の構内は、アイドルの センイル広告(=誕生日広告/ファンがお金を出し合ってアイドルの誕生日を祝うために、広告動画やパネルを出稿する韓国特有の応援文化)がよく掲示されるが、 番組が回を重ねるたびに多数のメンバーの広告が登場した。
デビューが決まる最終回は豪華生放送のステージ
最終デビューグループを決めるファイナル投票では、世界184か国と地域で1、2次合算939万8916票を集めた。韓国ソウルの蚕室室内体育館で行われた最終日の生放送中、約7000人のスタークリエイターが会場で直接見守る中で9人のデビューが決まる。
最終ミッションでは18名の練習生が2グループに分かれて、このステージのために作られた 新しい課題曲、少年たちのエネルギッシュでファンキーな魅力が詰まったキュートなセンスが込められた『Jelly Pop』と、夏の夜に感じる不思議な感情を強烈に表現した『Hot Summer』をそれぞれ披露した。
これがあるからオーディションを見るのはやめられない!最終回の大どんでん返し!
デビュー枠は9つ。18人全員が緊張の面持ちで、唾をのむ音すら聞こえてきそうほど張り詰めた空気の中、まずは8位から3位までが発表され、9位の発表は1位、2位の発表後となった。1位2位候補の2人、ソン・ハンビンとジャン・ハオが同時に発表されると、2人はステージの前へと促され、黙って抱き合い、ハンビンの目にも涙、ハオの目にも涙、2人手をつないでステージの前に出た。
これまでの投票で一度も 1位から脱落したことのない ハンビンと、 ずっとその背中を追ってきたハオ。最終順位1位者には、デビュー曲でキリングパート(強烈な印象を与えるパート)が与えられ、デビューアルバムにソロ曲が収録されることになっている。結果、得票差10万票で、 初回から不動の1位をキープしていたハンビンをハオがとらえる大どんでん返しの展開となり、会場は騒然となった。