長野県中野市で4人が殺害された事件。第一通報者となったのは、中野市議会議長を務めていた父親の青木正道氏(57)と深い親交のあった近所の男性で、政憲容疑者(31)のことも幼少期からかわいがっていたという。本誌・週刊ポストの取材に、重い口を開いた。目撃したのは、村上幸枝さん(66)が襲撃される瞬間だった。
「刺されたっていうのを110番したから。俺のところへ助けてーって走ってきたの。そう言われても無防備で手の施しようがなかったから、何もできなかった。政憲は15メートルぐらい後ろから追いかけてきて、俺の目の前の2〜3メートルぐらいで、ブスッて。背中2回後ろから刺されて、膝から崩れ落ちたところでもう一回、胸から。もうね、全然躊躇する様子もなくて。
(政憲容疑者が)俺んとこ来るかと思ったから、背中向けて歩き出して7~8メートル離れるまで、俺は動けなかった。離れたから、女性のとこ行ってゆすったりしたんだけど、見る間に血の気引いて色白くなっていったから、これはもう……。政憲はもみあげに特徴があるからすぐに分かった。『何でそんなひどいことするんだ』って声かけたら『殺したいから殺しただけだ』って。平然ともう、慌てもせず来た道を歩いて帰っていった」
だがその後、政憲容疑者が逮捕にいたるまでには長い時間を要した。
「警察はサイレン鳴らしてパトカー1台に2人乗ってきた。俺は誘導してこっちですってやって。そうしたら、政憲がパトカーに向かって散弾銃抱えて追いかけてきたのが見えたんですよ。うちに帰ってから銃を用意してきたのかなと思うんだけど。
こいつはさっきと同じ目しているなって逃げたら、5秒ぐらいでダーン、それから2秒ぐらいしてまたダーンって。至近距離だったからものすごい音ですよ、バーンって爆発音みたいなのが。全力で向こうの電柱ぐらいまで逃げて。そしたらほかのパトカーも来てくれたので『こっちです、こっちです』ってやってたら警察に『早く逃げろ、銃持ってんだろ!』って言われた。
現場に来た警察官が撃たれたから。それからは警察の人が増えていくばっかりで、放送で避難しろって言われて。それで知り合いの家に厄介になって、それから警察に話を聞かれて」