歌舞伎俳優・市川猿之助(47)の出演映画『緊急取調室 THE FINAL』の公開予定日は、6月16日。公開まであと18日と迫り、映画の制作陣は、お蔵入りか公開延期か、あるいは撮り直しのギリギリの選択に直面している。作品につけられたキャッチフレーズは、「最後の敵は、内閣総理大臣」で、まさにその内閣総理大臣・長内洋次郎役を演じたのが市川猿之助。いわば“ラスボス”のような重要な役どころを務めていた。
主演を務めるのは天海祐希(55)で、ほかの若手からベテランまで豪華キャストが出演する。第4シーズンまでテレビで放送されてきた人気シリーズの劇場版であるだけに、ネット上でも〈お蔵入りだけはイヤだ〉とファンの悲痛な叫びが続出している。映画関係者が打ち明ける。
「制作陣が一番気にしているのは、“猿之助さんは今後どのような罪に問われるのか”ということです。早々にお咎めなしとなった場合は問題なく公開する予定ですが、警察の判断が出ないままなら公開延期となるでしょう。
猿之助さんの出演シーンを撮り直すにしても、代役がすぐ見つかるかどうかわかりません。それに豪華キャストたちのスケジュールを次に押さえるとなると夏以降になるでしょうから、撮り直しの場合、大赤字は免れません。6月上旬が判断の目安となりそうですが、関係者のあいだではその撮り直しですらも厳しいのでは……との話も出ています」
映画公開直前にもかかわらず、大々的に番宣が行われていない。その背景をテレビ局関係者が明かす。
「主演として役者生命を賭けてきた天海祐希さんの落胆と怒りは大きく、番宣のために予定していた映画関連の番組出演は続々キャンセルとなったそうです。撮り直しの方向に話が進んでも、天海さんらが同じモチベーションを保てるかは難しいでしょう」
天海の『緊急取調室』シリーズへの思い入れは強い。
「取調室というシチュエーションで繰り広げる丁々発止の演技合戦に手応えを感じていたようです。座長として率先して飲み会を開くなど、共演者やスタッフの絆を深めようと心を配ってきました。放送開始時からレギュラー出演していた大杉漣さんが2018年に亡くなったことで、天海さんの『緊急取調室』への思いは一層深まった様子でした。
作品を愛しているからこそ、田中哲司さん(57)の不倫騒動のときは『ドラマにミソがついた』とムッとした様子だったそうです。今回の猿之助さんの事件は“ミソがついた”どころの話ではなく、宝塚出身で座長として作品を牽引してきた天海さんは、“せっかく作ってきた絆が壊れてしまう”と、かなり鬱憤をためているんじゃないでしょうか。こんなことになる前は、『手を挙げる所作ひとつにも総理大臣役の説得力がある』と猿之助さんの演技を絶賛していましたが……」(前出・テレビ局関係者)
皮肉にも『緊急取調室 THE FINAL』には、猿之助演じる内閣総理大臣が取り調べを受けるシーンもあった。ドラマの外で、“緊急”事態が続いている──。