二刀流の“ユニコーン”と呼ばれ、世界トッププレイヤーとなった大谷翔平(28)。その活躍ぶりは連日報じられているが、ダグアウト裏や私生活で見せる顔はなかなか日本に届かない。米カリフォルニア州アナハイムにあるエンゼルスの本拠地・エンゼルスタジアムに赴くと、チームメイトが大谷の意外な素顔を明かしてくれた。ノンフィクションライターの水谷竹秀氏による独占現地レポートである。
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「ロッカーでさっき翔平と(通訳の水原)一平に声をかけられたんだ。つい10分前のことだよ」
大谷翔平はふだんどんなキャラなのか──5月22日、本拠地エンゼルスタジアムで行なわれたナイターゲームの試合前、この質問を投げかけた途端嬉しそうに話し出したのは、大谷の“親友”パトリック・サンドバル投手(26)だ。左腕は大谷の“ジョーク”を思い出したのか、笑みが抑えきれない表情で話した。
「翔平が『おい、何をやったんだよ』って。『僕が何かした?』って聞いたら、『(スタジアム正面に飾られた)垂れ幕からお前の顔が消えて、(抑え投手の)エステベスに変わっているよ』って。『本当に?』って聞いたら、『冗談だよ、冗談』って言うんだ。みんな爆笑さ。今日翔平とした、最初の会話だよ」
サンドバルはエンゼルスの主力投手だ。今年3月に開催されたWBCではメキシコ代表として準決勝で日本戦に先発登板し好投したことで印象に残っている人も多いだろうが、そんなサンドバルは大谷と度々談笑する姿が見られる。
「ある時には僕を驚かそうとして、小さなボールを重そうなふりをして投げてきたことがある。彼は冗談が大好きなんだ。
通訳を通さずにコミュニケーションを取る時もあるよ。彼はみんなが考えているより英語ができる。特に野球の話になると会話ができるね。彼がピッチングしている時にどう感じているのか、あるいは球種について、どんなボールの握り方なのかについてよく話すよ」
大谷と食事にも数回行ったという。
「一度、焼肉屋に連れて行ってくれたことがある。僕が一番美味しかったのは、生のビーフに卵が乗っかっていた食べ物(ユッケ)だった。食事の時、翔平は水を飲んでいたね。その時は僕も含めてアルコールは飲まなかった。野球選手として、アルコールが体の回復にいかに影響を与えるかはわかっているから。多くの選手は何年か前に比べて、アルコールの摂取量が減っているよ。やっぱり睡眠や体の回復を重視しないといけないからね。
今年のキャンプ中にも翔平と寿司屋に行ったし、投手陣20人でステーキを食べに行った時も、翔平は一緒だった」