横浜市内のマンションに侵入し、複数の女性に対して性的暴行を加え、金品を奪ったとして起訴されている赤間靖浩被告(59)の裁判員裁判論告求刑が5月25日に横浜地裁(中山大行裁判長)で開かれ、検察官は男に懲役30年を求刑した(ショッキングな犯行態様を含むため、ご注意ください)。
赤間被告は2009年から2022年の13年間にわたり、横浜市内のマンションにおいて、施錠されていないドアから侵入し、部屋に住む女性たちに対してナイフを突きつけて脅したうえ、性的暴行を加え、金品を奪って立ち去るという犯行を繰り返していた。強盗・強制性交等や強盗強姦、強盗強姦未遂などの罪に問われている。
証拠などによれば、起訴されている事件は4件、被害者は5名。いずれも20代女性だ。第1の事件が起きたのは2009年10月。夜中2時、オートロックのマンション外壁にある排水管をよじ登り 、Aさん(当時26)方に侵入し犯行に及んだ。仕事帰りで電気をつけたままベッドに寝ていたAさんの口を押さえ「騒ぐと殺す」と告げたのち、ナイフで脅して手足を縛ったうえ、目隠しをし、頭部を殴った。抵抗できない状態のAさんの上衣をめくりあげ、膣内に指や性玩具を挿入。陰茎を挿入し、肛門性交にも及んだうえ、12000円を奪って逃げたとされている。犯行の様子も一部撮影していた。
赤間被告は5月22日の初公判罪状認否において、この第1事件のみ「性器に挿入というのは違います」として一部否認している。弁護人も「強姦は本人の意志で中止した」と主張した。
2017年の刑法改正で強姦罪から強制性交等罪に名称が改まった。強姦罪は「女子を姦淫」することだと定められていたが、強制性交等では処罰される行為が「性交、肛門性交又は口腔性交」と定められた。被害者の性別も問わない。つまり刑法改正前は「暴行・脅迫を用いて女性の膣内に陰茎を挿入」しなければ強姦罪は成立しない。
赤間被告は「Aさんの肛門には挿入したが膣には挿入していない」として否認しているのだ。
「当日は手袋、ナイフ、カメラ、ガムテープ、コンドームや目出し帽、電動歯ブラシ、ナイフを用意して行きました。ナイフは刃渡り10センチから15センチの、鞘付きのものです。カメラを持って行ったのは、記録と写真を撮るためです」
被告人質問では、ぼそぼそとした語り口で、犯行に持参した道具を挙げる赤間被告。黒のジャージを着用し、頭髪に毛はない。中肉中背の初老の男だが、逮捕当時は体格が良く、がっちりしていた。